トレンドの先読み力

一年を通して目まぐるしく変わるトレンド。
新しい情報を素早くキャッチし、店舗の商品構成に活かすことは
メディアの影響を受けやすいECにおいては不可欠です。

しかし現在流行しているものを仕入れようとしても在庫がない
仮に在庫があったとしても入荷する頃には廃れている…

そうならないために、今後流行する商品を事前に把握し
ジャストな時期に販売を行うことが最善です。

そこで今回はトレンドの先読み力の身につけ方を伝授します。

■定点観測から見えるトレンド

普段何気なく見ているSNSやニュースサイト、テレビ番組や雑誌などには
今後流行する可能性を秘めた商品の情報やヒントがたくさんあります。

世界規模で流行する商品もあれば、日本だけ、都市部だけといった
スポット的な人気を博すものもあります。

では情報源が多数ある場合、どのような点に着目すべきか?

答えは非常にシンプルで、まずはご自身の店舗で取り扱っているジャンル
さらに興味のあるジャンルの情報を中心に見て行くのが良いでしょう。

例えば食品ならニューヨークに注目しましょう。
ニューヨークで流行った食品は数ヶ月後に東京でも流行る傾向が以前からみられますが
昨今はSNSの普及によりタイムリーな情報を受け取ることが可能となりました。

若年層はインスタグラムを通じて発信することがスタンダードになっている傾向ですが
高年層の場合は健康情報を発信するテレビ番組などが取り上げて一気に火がつくことも考えられます。

またトレンドの影響をもろに受けるのがファッションジャンルとも言えますが
こちらは少し特殊で、業界側が意図して仕掛けています。

流行色やトレンド、素材の方向性をとりまとめ、コレクションで発表した後に
小売店で商品を販売するというプロセスを踏んでおり
商品を販売する約2年前からトレンドを生みだす準備をしています。

芸能人が着用することで急激に注目されるのもファッションジャンルならではです。
近年は提供している衣装を掲載したECサイトやスマートフォンアプリが存在するなど
消費者の購買欲を刺激するコンテンツも目立ちます。

■要因から見えるトレンド

ECサイトはメディアの影響を非常に受けやすい特性があります。

そのためSNSやテレビガイド誌の情報に日々目を通して情報収集
未来のトレンド予測を行うことも大切ですが、ライフスタイルの変化や
世相からもトレンドを読むことは可能です。

例えば「スーパーフード」と言われ2015年から2016年にかけて流行したチアシードですが
なぜ日本で流行したのかを紐解いてみると、海外で影響力のあるモデルが
ダイエットや美容目的で愛用していることがニュースとなり
日本のモデルや女優が使用しSNSで拡散したことで一般にも広まったことが伺えます。

栄養価の高さや多くの効能からダイエット目的ではなく健康志向の方にも広まりましたが
ここで注目して欲しいのは、日本人女性の美意識が近年著しく変化したということです。

国によって美しいと感じられるスタイルには差がありますが
2000年代に入り日本ではスッキリとしていて華奢なことが美しいとされる風潮にあります。

これはファッションやWEBデザインにおけるトレンドにも通じるところがあり
使用するシーンや販売する商品によってばらつきはありますが、昨今は装飾的なボリュームデザインから
装飾をそぎ落としたミニマムなデザインが主流となり好まれる傾向にあります。

また飽食と医療の発展から健康キーワードも引き続き関心度が高く
健やか且つ、食べて痩せる食品などは今後も注目を集めていくことでしょう。

しかし情報過多のため注目すべきポイントに迷った時は
ご自身の周りの感度の高い女性とメディア露出している芸能人の発言や動向に
注目
してみるのがおすすめです。

ECの市場を盛り上げているのは圧倒的に女性ですので
今一体何に興味を持っているのか、何を欲しがっているのかをリサーチし
自店舗で今後のトレンド商品として発信してみましょう。

ご自身で予測したトレンド商品を少ないロットで試験的に仕入れ
ネクストブレイク商品と銘打ったバナーを設置したページに誘導し消費者を煽ります。

今後どのような形で広がるか未知数ですが、流行発信力は影響力の強さとも取れるので
きっと新たな発見があるはずです。
重要なのは「情報収集を習慣化する」ということです。

そうすることで日々の何気ない瞬間がマーケティングの時間となり
次に店舗で何を仕掛けるかの事前準備ができるのです。

良質な情報源を確保しトレンドの仕掛け人になろう!