定番商品と冒険商品の境界線とは

店舗における定番商品とは、主に売上が流行やシーズンにあまり左右されず
年間を通じてコンスタントに売れるものを指します。

特に年齢が高くなるにつれてベーシックな定番商品の購入にシフトしがちですが
買い物慣れした消費者からしてみると、定番商品はもはや買い尽くした感もあり
昨今は安定した売上を確保できる商品が少なくなっている傾向です。

では、いかなる状況にも負けない定番商品とは何なのかを紐解いてみましょう。

■アイディアを共有する

例えば流通額の多い食品で考えてみます。

スーパーなどで見かけることの多い粉末状の鶏がらスープですが
かつおや昆布のだしと並んで常備しているご家庭も多い基礎調味料です。

消費者の認識としてはスープに使用するだしとして購入することが想定できますが
献立のバリエーションが乏しい場合、毎回スープに使用するだけでは
たとえ気に入っていてもだんだん飽きてしまいます。

販売する側としてはできればコンスタントに購入して欲しいものですが
このままでは他の商品に浮気されてしまう可能性が大いに考えられます。

そこで重要なのが「新しい使い道の提案」です。

近年はクックパッドなどのレシピ共有サイトの普及により
料理を作る際にまずレシピ検索をしてから買い物に出かけたり
冷蔵庫にある食材を検索しマッチしたレシピの調理に取りかかるケースも多く見られます。

上述した粉末状の鶏がらスープを検索してみると膨大な量のレシピがヒットしますが
いちいち調べるのは手間がかかります。

では商品ページや同梱物に定番商品を使った新しいレシピと
季節ごとの使い道が掲載されているとしたらどうでしょう?

これは食品だけではなくアパレルなどでも言えることですが
定番商品と相性の良い商品をあらかじめ提案することで購買意欲が高まります。

■安価でお得が鉄則

もちろんバリエーションが豊富なこともそうですが
消費者にとって一番良いのは、旬のものが安価で手に入ることです。

例えば食品の場合、スーパーで特売になっている野菜や魚など
その時期の旬となるものと組み合わせたレシピを提案するのがおすすめです。

粉末状の鶏がらスープを使用し、夏はパクチーを使ったベトナム料理フォー
冬はキャベツを使ったロールキャベツなどがお財布にも優しく消費者を惹きつけます。
また、アレンジ方法として手軽なちょい足しレシピを掲載するのもおすすめです。

その場合、文字情報だけではなくシズル感のあるイメージ画像を掲載するとより視覚に訴えることができます。

さらにイメージ画像の中に店舗で扱っている商材を何点か織り交ぜて誘導することで同時購入に繋げることも可能なので
必要な情報の取捨選択と共に、必ず完成イメージの画像を掲載したページ制作を行いましょう。

アパレルにおいては、安価かつ使い勝手のよいスカーフなどを定番商品とし
春はカバンのハンドルに巻きつけて、秋はシャツの襟元に添えてなど
消費者が既に持っているアイテムと組み合わせることで季節感のあるおしゃれの提案が可能です。

特に流行に左右されやすいアパレル商品の場合、重要なのは着用イメージです。

ページ内には必ず商品の使用画像を大きく掲載し
定番商品にたくさんの使い道があることをアピールしましょう。

またメディアの影響を大きく受けるため、人気ドラマで女優が着用しているイメージに似せた
カットや小物使いなども積極的に取り入れて消費者を煽りましょう。

そうすることで1つの商品がアレンジを加えることにより違う商品のような見栄えとなり
ベーシックな定番商品から1点ものの冒険商品になるのです。

消費者は定番商品に新たな価値を見出し、継続的な購買につながることで
結果的にLTVの向上が期待できます。

バリエーションの提案で他店に負けない商品創りを!