気候と購買意欲の相関性

暑い8月も終わり、だんだんと涼しくなってくる9月が始まりました。

8月は帰省等の影響で多少賑わいを見せ
サマーセールなどの大型セールでの散財も手伝って
この時期は消費者の財布の紐も堅くなりがちです。

しかし、9月10月に至ってはハロウィンや敬老の日などのシーズナル商品がある店舗を除いては
気候と同じく売り上げが落ち込むことが予想されます。

そこで、これから来る寒い時期を乗り切るとっておきのテクニックを伝授します。

消費者ニーズの先読み力

これから寒い時期がやってきますが、わたしたちはどんなものを求めるでしょうか?

一例としてダウンジャケットなどの上着や暖かい飲み物、暖房器具など
寒さを緩和できるものが挙げられますが、そもそも人間の購買意欲は
気温や天候などの気象条件に影響
します。

こうした要素による購買を見越し、商品構成に活かすことで
売り上げに直結させる活動をウェザー・マーチャンダイジングと呼びます。

特に気温と食べ物の関係は密接で商品が売れ始める目安の気温が存在しています。
例えば気温が15℃を下回ると鍋物、23℃を上回るとアイスクリーム
さらに30℃を上回るとかき氷と言った具合です。

人間の身体は気温によって基礎代謝量が変化するため
気温が低いときは栄養を蓄えようと「味の濃いものや高カロリーのもの」を求め
気温が高くなると食欲が減退傾向となり「香辛料を使ったもの」や「あっさりしたもの」を求めるのです。

寒い時期で考えた場合、顕著な例がスープの味です。

スーパーの鍋物売り場やコンビニのカップ麺コーナーなどを見てみると
秋口はしょうゆや出汁がベースの透明度の高いスープのものが大半ですが
気温が下がるにつれ味噌やキムチを使った味の濃いものが多く出回るようになります。

また気温が30℃を上回る暑い時期は売れ行きが芳しくなかった
バニラやチョコレートなどの濃厚な味のアイスクリームも15℃を下回るこの時期は
盛夏ほどではないですが比較的よく売れます。
では、寒い時期にどうしてアイスクリームが売れるのでしょうか?

あらゆる条件を味方に

私たち人間は気温だけではなく気温差によっても嗜好が変わります。

例えば雪がちらつくような寒い日の翌日、前日より10℃以上も気温が上がったとします。
時期としては冬のため、電車内や室内は暖房器具により暖かく保たれており時に暑いとさえ感じます。

寒い時期に暖かい部屋で温かいものを食べるのは身体を温めて寒さを緩和したいという純粋な欲求ですが
こういう日にはたとえ季節はずれでも、私たちはアイスクリームを提案されると食べたくなるのです。

これらの特性を活かし、バナーやメルマガなどで積極的にアプローチすることで売り上げの底上げに繋がります。

デザインとしての表現は、季節はあくまでも冬なので暖かい印象が強い赤やオレンジなどの暖色を
積極的に取り入れることで対象となる商品を暖かい部屋で用いていることを連想できるようにしましょう。

またフォントも柔らかいタッチの丸ゴシックや明朝、スクリプト体を使用し
光彩などで淡くぼかすことで温かく優しい印象に仕上げましょう。

メルマガで訴求する場合は「屋外レジャーの必需品」「みんなで集まる鍋パーティー」など
ひとけを感じるキーワードを盛り込むことで複数購入やまとめ買いを促すことが可能です。

気象条件で売れる商品はガラッと変わるので、それを見越した商品構成を意識し
売り逃がしを防ぐ
ことが売り上げが落ちる月を乗り切る最大の鍵です。

消費者の欲求を理解した店舗創りを心がけよう!