アフターコロナとEC

2023年3月13日以降、マスクの着用が個人の判断に委ねられます。
約3年という長い月日を共にしてきたマスクは外出時の必需品となりましたが、花粉シーズンということもあり、全国民がマスクを外す日はまだまだ先になりそうです。
今回は、アフターコロナで変わる消費者行動とECに求められるコミュニケーションを考えます。

多様化する価値観と高まる美意識

消費者が商品を購入する際に影響を受ける要素はいくつもありますが、特にコロナ禍においては、住んでいる国の文化や価値観に大きく影響を受けたと言えます。

マスクを例に挙げると、国の指針や方向性によって着脱が左右されるため、個人の価値観が消費者行動に与える影響は少ないと言えます。
マスク着用により肌荒れを起こす方にとっては「1日でも早くマスクを外したい」が本音かもしれませんが、コロナ禍によってマスクに対する消費者の意識は変化しています。

季節の変り目に風邪をひきにくくなった等、マスク着用の本来の目的に沿ったメリットもありますが、マスクは顔の三分の二を覆うため、見えない部分のケアやメイクを最低限にしたことで、結果的に時短や節約に繋がったことをメリットとする消費者も少なくないでしょう。

今後マスクの着用が個人の判断に委ねられることで、人からの視線を意識するようになるため、マナー的観点と美意識の高まりにより、顔回りのケアを再認識することになるでしょう。

特に口元のケアは男女共に重要視しており、口臭ケア、ホワイトニング、髭脱毛、マスク生活で衰えた表情筋のトレーニング、新しい口紅の購入等、何らかの検討やアクションを起こす消費者が増えそうです。

マスクの色や形は消費者ニーズに合わせて多様化し、今ではファッション化している節もあります。
着用義務がなく自由度が増したことで、アイデンティティの象徴として今後もマスクを着用し続ける消費者は一定数いるでしょう。

距離を払拭するコミュニケーションとは?

非接触を余儀なくされたことで、消費者のコミュニケーションはガラリと変わりました。
仕事を例に挙げると、テレワークの推奨やオンライン会議が主流となり、個人と社会の関わり方が大きく変化したと言えます。

コロナ禍によって家族や親しい友人との距離感は近づいたと言えますが、会社の飲み会や季節イベントへの参加頻度は著しく減少しており、距離が生まれたと言えます。
対面の場合、ちょっとした雑談が社内の空気をリフレッシュしたり業務を円滑にする役割を果たしていましたが、コミュニケーションがオンライン化したことで雑談はほぼ皆無となりました。

コロナ禍であらゆるものがオンライン化し、商品を購入する際も店舗ではなくECが主流となりましたが、商品の問い合わせを行う際も電話ではなくメールやチャットボット経由となることが多く、販売側のスタッフと消費者が口頭で話す機会は激減しています。

販売側にとってはメールやチャットボットは便利に感じますが、高齢のお客様にとってはオンラインベースの問い合わせは不慣れであり、少しハードルが高いと言えます。

問い合わせフォームの案内ボタンの色や文字の大きさは適切か?
お客様に寄り添った言葉遣いやニュアンスの返信ができているか?
チャットボットの存在をお客様は認識できているのか?
チャットボットの操作性はスムーズか?

業務効率化は大切ですが、お客様が問い合わせを断念し、機会損失を招かないためにも、今一度ハード面とソフト面を見直し、体制を整えましょう。

コミュニケーションの改善でお客様との距離を縮めよう!