変化する福袋事情

今月から首都圏の緊急事態宣言が解除され、街は少しづつ活気を取り戻しつつあります。
お歳暮やおせち料理の予約も開始し、いよいよ年末商戦が近づいてきましたが、年末年始に話題となるのが福袋です。

コロナ禍の影響もあり、ECで予約・購入することが主流となった今、百貨店の店頭に人が押し寄せる争奪戦のような光景は遠い昔のように感じます。

この2年間で消費者の考え方や生活様式は大きく変化しており、販売者側も時代のニーズに合わせて戦略を変えていく必要があります。

そこで近年の福袋傾向と共に、消費者が本当に欲しい福袋の中身を考えてみましょう。

福袋はお正月だけじゃない!夏の福袋が登場

福袋は年末年始の風物詩であり、特にファッションジャンルの人気が高い傾向ですが、2021年は食品業界の大手企業が「夏の福袋」と銘打った商品を数々リリースしました。

参加企業は季節柄コーヒーチェーンが多く、店頭予約またはECで購入できるシステムとなっています。
中身はアイスコーヒー等の商品に加え、コーヒーチケットや商品券、トートバッグ等のオリジナルグッズをセットにした商品が目立ちました。

外食チェーンの松屋では、グルメ福袋と銘打った商品をECのみで販売しましたが、定番の牛めしや牛カルビ焼肉のレトルト商品に加え、店頭では食べられないオリジナルカレーをセットにする等、ECの付加価値を提案しています。

外食を気軽に安心して楽しめていた頃に比べると、消費者の意識は家の外ではなく中に向いており、「お店の味を家で手軽に楽しみたい」というニーズに変化していることが伺えます。

消費者が外食を選ぶ理由として、「お店でしか味わえない」「作るのが面倒」「安上り」等が考えられますが、テイクアウトが浸透したこと、レトルト化されてECでも購入が可能になったことで十分カバーできており、外食へのこだわりは以前ほどなくなったように感じます。

とは言え、『また店頭に来て欲しい!』という販売者側の想いがコーヒーチケットや商品券に込められているのは言うまでもありません。

SDGsと福袋

おうち時間が増えたことに比例して、家具や家電の見直し、不用品の断捨離を積極的に行う消費者が増加していますが、国を挙げて取り組んでいるSDGsの流れも徐々に浸透しつつあります。

例えば、全く機能しなくなった家電は粗大ごみとして廃棄することになりますが、家具を思い切って新調する際は、廃棄する前に無料で引き取ってくれる方を掲示板で募集したり、着なくなった服や装飾品はフリーマーケットアプリに出品する等、捨てる前に再利用できる方法を考えるようになりました。

この流れは福袋にも影響しています。
これまでは「運試し」の要素が強く中身が見えないのが当たり前だった福袋ですが、着れない服や不要なものがたくさん入った福袋を安価で購入するのではなく、少々値が張っても「本当に必要なものが入った長く使える福袋」が求められる時代になりました。

近年多くのジャンルで販売されている「中身が見える福袋」は事前に中身を確認できることで購入後のミスマッチを防ぐ役割を果たしますが、ここで注意したいのが、販売者側の利益や損得勘定でセット組みした福袋は『消費者の心に響かない』という点です。

当たりハズレは消費者が決めることですが、購入した消費者はその中身をSNSに掲載し、良くも悪くも拡散されます。
「この店ではぜったい買わない!」という逆プロモーションにならないよう、消費者のニーズを可視化し、想いを汲み取りながらセット組みを考えましょう。

季節を問わず販売可能!消費者に刺さる福袋でお店をPRしよう!