思い出を贈る母の日商戦

長引くコロナ禍により大型商戦に思わぬ変化が生じています。
例えば「バレンタイン」も、今年はテレワークの増加により義理チョコ需要が激減し、その代わりに自分へのご褒美として高級スイーツを購入するケースが目立ちました。

直近の大型商戦として「母の日」がありますが、今年はどのような商品やスタイルが好まれるのでしょうか?
消費者心理と購買行動を基に考えてみましょう。

キーワードは「心の距離」

今年の年末年始は帰省を諦めて自宅で過ごした方も多かったと言えますが、離れて暮らすご家族と何らかの形でコミュニケーションを取ったのではないでしょうか。

例えば電話やビデオ通話でお互いの声や顔を確認しながらお話した方も居れば、メールやLINE、年賀状等、文字をベースにしたやり取りを行った方も居るでしょう。

このような時世では、繋がっていると感じられることや安心感を得られる行為に時間やコストをかけたくなるものですが、欲を言えば直接会って触れ合いたいのが心情です。

ある程度のことはオンラインで完結できる便利な時代となりましたが、直接会うことが困難な今、離れていても近くに感じる+形が残る贈り物として「メモリアルギフト」の需要が高まっています。

これまでは主に結婚や出産等のライフイベントの際に多く利用されてきましたが、昨今ではコロナ禍の影響により、『少しでも心の距離を縮めたい』と考える消費者が増えたことで、イベント時の候補として挙がるようになりました。

名入れ商品はもちろん、似顔絵や顔写真をプリントした商品や、お孫さんが描いた絵をグッズ化した商品等、バリエーションも様々です。

これらの定番商品に加え、スマートフォンやデジタルフォトフレームもギフトとして注目されています。
特にスマートフォンはシンプルな操作性の商品が増えたことも後押しし、『心の距離を補完する商品』として、今後もギフト需要が高まりそうです。

コロナ禍における大型商戦は、もはや「思い出商戦」と言っても過言ではないでしょう。

メッセージカードの有無が明暗を分ける

母の日の定番ギフトと言えばカーネーションの花ですが、同梱するメッセージカードも今年は例年以上に重要視されることが予想されます。

贈る側の想いを代弁できるメッセージカードは、ギフト商品に心を添える重要な役割を果たしますが、コロナ禍によりECでギフト商品を購入する消費者が増加する可能性が高いため、メッセージカードの有無がCVを大きく左右すると言えます。

もちろん決め打ちのメッセージを選択させるのでも良いですが、文字数制限ありきで自由に記入できるメッセージの方がより訴求力は高まります。

さらにメッセージカードに反映されるフォントも定番のゴシック体や明朝体だけではなく、手書き感のあるフォントも選択できると、かしこまった感が払拭できて良いでしょう。

母の日だけではなく、父の日や敬老の日にも言えることですが、身内へのギフトでは形式ばったスタイルよりも『自由度』が優先されます。

たとえ直接手渡しができない環境下でも、贈る側の想いと商品を届けられるのがECだということを肝に銘じ、商戦を迎える準備を始めましょう。

心の距離を縮める施策で思い出商戦に備えよう!