流行とWEBデザイントレンドの相関性

いよいよ2020年がスタートしました。
本年は待ちに待ったオリンピックイヤーですが、今から20年前の日本では、後の流行語となる「IT革命」によりインターネットが急速に普及し、社会や経済に大きな変革がもたらされました。

今回はIT革命と共に20年周期から見るWEBデザイントレンドを考察します。

IT革命が日本にもたらしたもの

2000年に日本で起こったITにおける最も大きな動きとしてGoogleが日本語による検索サービスを開始したことが挙げられます。

それまでは新しい情報を入手するのは新聞やテレビが一般的でしたが、インターネットが普及し検索することを覚えた消費者は、膨大な数の情報を容易に入手することが可能となりました。

しかしその発展の裏で、第三者になりすました「ハイテク犯罪」の増加や情報技術を駆使できないことによる「デジタルデバイド」が問題視されています。
これらは今後もインターネットを積極的に使用する限り切り離すことができない大きな課題と言えますが、WEBリテラシーを高めることが当面の回避策と言えるでしょう。

IT革命により情報入手が容易になったことでBtoBやBtoCの電子商取引やEC、銀行の振り込みや株取引等が身近になりましたが、2000年のWEBサイトにおけるデザイントレンドとはどのようなものでしょうか。

その代表的なものが「FLASH」です。

1996年に開発されたFLASHは、マウスによりアニメーションを動かしたり音を鳴らしたりと、それまでの基本的なHTMLでは不可能だった動的なWEBサイトの表現を可能にしました。

その数年後、日本でもトレンドとなり、フル画面表示されたFLASHや動画をトップページに大胆に配置したスプラッシュページが続々登場しました。

当時のFLASHサイトで特に多く見られたデザインの特徴として鮮やかな色合いの「ネオンカラー」やツヤ感のある強めのグラデーションを使用した「3Dボタン」等が挙げられます。

情報を入手することがメインだったWEBサイトは、FLASHの導入以降、徐々に構造やナビゲーションを含めた外観の美しさやユーザビリティ等のデザイン要素に注目が集まるようになりました。

FLASHは残念ながら本年で終了することが決定していますが、終了に至ったとされる要因は実に複合的であり、中でもスマートフォンの普及がFLASHユーザーを大幅に減少させ衰退に拍車をかけたと言えるでしょう。

FLASHは画期的なデザインを実現できますが、セキュリティの脆弱性によりiPhone未搭載、JavaScriptやHTML5等、他のプログラミング言語でも再現可能、スマートフォンサイトにFLASHを含む場合のSEOへの悪影響等、近年のWEB事情を考慮した場合、デメリットとなる要素を多く含んでいます。

しかしながら、日本のWEBデザインの目覚めでありイノベーションだったことには違いありません。

流行は周期的に「繰り返す」

そもそも世に言う「流行」とは、『生まれる』ものではなく、火付け役となる発信者の意図により『生み出されるもの』です。

流行は一般的に「20年サイクルで循環する」と言われますが、昨年大流行したタピオカやニーハイブーツ等もそのサイクルに見事にマッチした好例です。

流行はその方向性を決める関係各社や様々な人の努力の集大成であり、次なる流行発信商材を決めたら、どのような媒体で誰を起用してどのように拡散するか等を何度も協議しますが、その舵取りを担っているのはアラフォー世代と言われています。

しかし流行に特に敏感な世代は10~20代前半であり、彼らにとって目新しさがないものは流行りません。
ではなぜアラフォー世代が流行の舵取りを担っているのでしょうか?

それは、流行が憧れと共にあるからです。
「流行っているから欲しくなる」という心理はいつの時代も共通であり、流行のものを手に入れることは、人間の購買欲求の一つとされる『優越欲』を満たすことに他なりません。

自分たちが10代の頃に大流行していた憧れの商品に現代の感性をかけ合わせてブラッシュアップした状態で再リリースすることで、先述したタピオカやニーハイブーツはアラフォー世代にとっては非常に懐かしく、10~20代前半にとっては目新しく映ります。

世代を超えた流行はこうして生まれ、終焉を迎えるわけですが、20年という循環サイクルに当てはめた場合、タピオカやニーハイブーツがリバイバルすることも大いにあるでしょう。

流行は発信者の意図により生み出され周期的に繰り返すものですが、WEBデザイントレンドにおいても同様のことが言えます。

例えば2020年のWEBデザイントレンドとして「3D」「シャドウを使用した奥行感」「ネオンカラー」「デュオトーン」等がありますが、2000年に流行したFLASHサイトを思い出してみると、奥行のある立体的な構造や鮮やかな色合い等、デザインの特徴が酷似しており、以前のトレンドが再定義されたと言えます。

ファッションやカルチャーの流行と似ている部分もありますが、決定的な違いとして忘れてはならないのがWEBサイトは「ユーザビリティ」を考慮する必要があるという点です。

いくらWEBデザイントレンドを駆使してサイトを制作しても、装飾ばかりで情報量が少なく、視認性の悪い「作り手満足度の高い」ページでは商品や企業の良さは消費者に伝わりません。

WEBサイトの本来の役割は「情報を分かりやすく伝えること」であり、外観の美しさだけではなく、構造やナビゲーションを含めた視聴覚的なユーザビリティが意識されていてこそ優良なWEBサイトと言えるでしょう。

ユーザビリティを考慮したリッチなWEBサイトを目指そう!