最近Amazonを騙った迷惑メールの話をよく耳にします。
「あなたのアカウントは一時的にロックされています」「あなたのアカウントは停止されました」等、緊急性のある虚偽の内容でユーザーを煽り、添付したURLをクリックさせることで個人情報を抜き取る手口が主流です。
このようなフィッシング詐欺とは別で、
Amazonの出品者はAmazonのアカウントが本当に停止することがあります。
Amazonのアカウントが停止すると、Amazonに登録しているアドレス宛にAmazonから停止した旨を記載した警告メールが届きますが、記載している内容に心当たりが無い場合、不安になるし凹みますよね…。
安心してください!Amazonのアカウントが『停止』した場合でも復活のチャンスがあります!
Amazonにクレームの連絡をする前に、まずはAmazonのアカウントが停止した理由を考えてみましょう。
Contents
どうしてAmazonのアカウントは停止してしまうの?
Amazonのアカウントが停止した理由として『アカウントの健全性』が挙げられます。
アカウントの健全性は出品者に対する購入者からの評価(顧客満足指数)によって測ることができますが、Amazonが特に重視している顧客満足指数が以下となります。
・注文不良率
・出荷前キャンセル率
・出荷遅延率
・追跡可能率
・返品の不満足度
・ポリシー違反
・回答時間
中でも、注文不良率・出荷前キャンセル率・出荷遅延率・追跡可能率はAmazonで良好な購入サービスが提供できる基準としてパフォーマンス指標が設けられています。
目標に満たない場合、必ずしもアカウントに問題があるとみなされる訳ではないですが、改善を怠った場合にはアカウントにマイナス評価を与えることになります。
注文不良率
全ての注文の中で注文不良が占める割合を指します。
例えば、注文が低い評価を受けた場合、Amazonマーケットプレイス保証の申請が承認された場合、サービスに関する問題によるクレジットカードへのチャージバックが発生した場合が注文不良率に該当します。
パフォーマンス目標は1%未満です。
出荷前キャンセル率
出荷通知を送信する前に出品者がキャンセルした注文数を全ての注文数で割った割合を指します。
出品者がキャンセルを行った理由がいかなるものであってもこの指標の対象となります。
パフォーマンス目標は2.5%未満です。
出荷遅延率
配送予定日までに出荷通知が送信されなかった注文の割合を指します。
出荷が遅延すると購入者からの問い合わせが増加するほか、購入者の満足度にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
パフォーマンス目標は4%未満です。
追跡可能率
出荷通知された配送数のうち、有効なトラッキング番号(お問い合わせ伝票番号)のある配送数の割合を指します。
パフォーマンス目標は95%以上です。
返品の不満足度
返品ポリシーの要件を満たす返品リクエストのうち、
・48時間以内に返答されなかったもの
・不適切に却下されたもの
・購入者からの評価がネガティブだったもの
の割合を指します。
ポリシー違反
出品に関する規約・ガイドライン違反を指します。
規約とガイドラインの詳細については、セラーセントラルのヘルプから「規約」と検索すると確認できます。
出品する前に必ず確認し、規約とガイドラインに沿った内容で出品することで違反を未然に防ぐことが可能です。
回答時間
購入者からの問い合わせに対して24時間以内に回答できた割合を指します。
購入者からの問い合わせに迅速且つ質の高い回答を行うことは、優れたカスタマーサービスの提供であり、購入者からの悪い評価やクレームを減らすために必要不可欠です。
アカウントの健全性はここから確認!
Amazonセラーセントラルのパフォーマンスタブ内「アカウント健全性」から確認が可能です。
ページ内にはそれぞれの項目が数値で表示されており、アカウント健全性評価の箇所にはアカウント自体の総合的な評価が3つの指標で表されます。
Amazonが求めるパフォーマンス目標を達成している場合、緑色のアイコンで【良い】と表示されますが、違反や問題の程度によっては黄色(注意)から赤色(悪い)へと変化します。
例えば、規約の遵守の項目に何らかの違反や問題が発生している場合、対象となる件数と共に危険を表すマークが表示されます。
違反や問題の対象となっている項目をクリックすると、日付やASIN(およびSKU)・商品名・違反や問題の理由・Amazon側が行った対応等が詳細に表示されていますが、特に注意したいのがAmazonからのメッセージ欄です。
違反や問題に対する今後の対応についての指示が期限付きで記載されているケースも多いため、必ず毎日確認し、見落としを防ぐことが大切です。
もし違反や問題があった場合はどうすればいいの?
顧客満足指数が悪化している場合、Amazonからメールにて通達されます。
出品者はパフォーマンス回復のために販売している商品や対応の見直しと改善を図る必要がありますが、見直しや改善を図らず継続的に目標を達成していない場合や、目標値を大幅に下回っている場合には出品権限の一時停止、または出品権限の取り消しの措置が取られる場合があります。
アカウントを再開するためには?
出品の再開をリクエストするには、Amazonに改善計画を提出する必要があります。
改善計画には、パフォーマンス低下の原因と問題の解決に向けて何をどうするのか等、事細かに記載します。
主な必要事項は以下の3項目です。
①今回発生した規約違反(問題)の内容
②今回発生した規約違反(問題)の原因
③同じ違反(問題)を起こさないための具体的な対策
(対策の実施期日(〇年〇月〇日までに実施等)を記載すると◎)
上記に加え、出品している商品に対する証拠(仕入れ先の情報や請求書等)の提出を求められている場合はそちらも準備します。
改善計画を作成する際の注意点
改善計画は分かりやすく簡潔にする必要があります。
問題となった事象の原因をしっかり究明し、反省した上で、二度と繰り返さないという強い意志と対策をAmazon側に示すことが大切です。
保身を図るための言い訳や虚偽の内容、感情的な文章を書き連ねるのはご法度と心得ましょう。
出品者から受け取った改善計画はAmazonによって慎重に審査され、審査結果は48時間以内にメールにて送付されますが、改善計画を提出すれば停止されたアカウントを再開できるという訳ではありません。
Amazonとのやり取りが複数回続くこともありますが、あきらめずに誠意ある対応を行いましょう!
Amazonアカウントが閉鎖された場合
Amazonのアカウントが停止された場合、改善計画とそれに沿った改善対策を行うことで再開する可能性が高いですが、場合によってはアカウント自体が閉鎖されることがあります。
アカウントが閉鎖される主な原因は以下です。
・法律に違反している場合
・アカウント停止に繋がる問題に対して改善が見られなかった場合
・複数のアカウントを持っている場合
法律に違反している場合
商品を出品する際、Amazonが定めた規約やガイドラインに沿う必要がありますが、抵触しないよう注意すべき法律がいくつも存在します。
その代表例が以下です。
・商標権
・著作権
・特許権
・工業意匠
・意匠権
・薬機法
特に注意したいのが知的財産権(商標権・著作権・特許権・工業意匠・意匠権)です。
出品者が知的財産権を所有しているのに知的財産権の侵害が報告された場合はAmazon側に意義を申し立てることが可能ですが、第三者の知的財産を侵害していることが出品後に判明した場合は法廷で争う事態に発展することもあるため、出品前に必ず確認しましょう。
アカウント停止に繋がる問題に対して改善が見られなかった場合
改善計画提出後にAmazonから提出を依頼された証拠(仕入れ先の情報や請求書等)を提出しなかった、改善計画に記載した対策を出品者が実行しなかった、等はペナルティとしてみなされます。
改善計画提出前にAmazonから違反や問題のある商品の出品を期限内に取り下げるよう指示があったが対応しなかった、等もこれに該当しますので、明確な期日を指定されている対応については細心の注意が必要です。
複数のアカウントを持っている場合
Amazonでは一人で複数のアカウントを持つこと自体が禁止されているため、メールアドレスや口座番号等の情報を流用してアカウントを開設している場合は、情報が紐づいている全てのアカウントが閉鎖する可能性があります。
Amazonアカウントの停止と閉鎖についてのまとめ
Amazonアカウントの停止は復活の可能性が大いにありますが、閉鎖は最終通知であり、復活できる可能性はゼロに等しいと言えます。
再度出品したい場合は新たなアカウントを開設する以外に方法は無いですが、閉鎖されたアカウントと同じ情報を流用してアカウントを作成することは出来ません。
Amazonのアカウントは、アカウントスペシャリストと呼ばれる部署が管理しており、常に目を光らせています。
アカウントスペシャリストと直接コンタクトを取ることができないため、Amazonアカウントが突然閉鎖した場合でも理由を確かめることはできません。
Amazonは『地球上で最もお客様を大切にする企業になること』をスローガンに掲げており、優れたカスタマーサービスをお客様に提供できていないと判断されたストアはAmazonアカウントの停止や閉鎖の対象となる可能性が極めて高いです。
アカウント健全性の項目と指標は告知なしに変わることがあるため、常日頃から注視し、Amazonアカウントが停止または閉鎖しないよう、購入者の満足度とパフォーマンスの向上に努めましょう!
記事を読んで少しでも気になる事がありましたら、下記お問い合わせフォームより詳細にご記入くださいませ。