愛される商品の秘密

巷に溢れるたくさんの類似商品。自店と扱っているものはほぼ変わらないのに
なぜあの店舗の商品は売れているのか?

消費者が手に取り、思わずカゴに入れてしまいたくなる商品とは
どんなものなのかを紐解きます。

■好きの近道は接触頻度にあり

例えばラジオで何度も同じ曲が流れていたり、同じCMや看板を見ていたりすると
だんだんその曲や広告で取り上げられている商品に親しみを持ち、興味が湧いてきます。

これは音楽を聴いたり物を見たりすることで作り出される潜在記憶が
印象評価というものに誤って属してしまうことが起因しています。

そして、気付けばその音楽を口ずさんでいたり商品を手に取っていたりと
接触回数が増えることで、知らず知らずのうちにその企業の商品への好意が高まります。

これは単純な接触によって感情が影響される「ザイオンス効果」です。
では具体的にどんな時にザイオンス効果は使われるのでしょうか?

その一例として宣伝広告が挙げられます。
例えば新商品をリリースする際、CMや雑誌等の各媒体に頻繁に広告を載せます。

さらにCMに起用されたタレントがテレビの情報番組に出演したりする等
消費者の目に触れる機会を増やします。

見る回数が増えることでザイオンス効果は成立し
新商品にもタレントにも好意を持つ人が増えることが想定できます。

メールマガジンもその一つで、リピーターとなった消費者に対して
その方の興味がありそうな情報を繰り返し伝えることで
商品や店舗に対する印象が良くなり、結果的に販売促進に繋がります。

例えば上記メールマガジンを毎週決まった曜日に配信していたのに、急にパタッと来なくなる。
すると「あれ?どうしたんだろう?」という心配とも取れる感情が生まれます。
これも同効果と言えるでしょう。

■接触は時に逆効果?

しかしながら、この構図がどんな場合でも当てはまるわけではありません。

前述のように、接触頻度が増えることでだんだん興味が湧き、好意を抱くことがありますが
インターネット上の広告のように、全く別の商品を見ているにも関わらず
以前閲覧した商品がまるで自分を追いかけるかの如く頻繁に出現したとします。

ここで注意したいのが、消費者の意識下への刷り込みが自然なのか不自然なのかという点です。

この場合、何度も目にすることで「買わなければならない」というある種の脅迫観念により
購入を促されることはあっても、「欲しい」というポジティブ且つごく自然な感情で
その商品を手に取ることは困難になります。

人物で例えるなら、飛び込みの営業マンが1度断ったにも関わらず
毎日のように家に来て話を聞いてくれと言っているようなイメージです。

もちろん何度も会っているうちに警戒心が薄れることはありますが
信頼されることとは違うため、話を聞いてもらえるとは限りません。

ザイオンス効果を成立させるために大切なのは第一印象です。

そもそも人間の心理として、見知らぬ人には攻撃的且つ、冷淡な対応をするという面があるため
いくらその先に好意を抱く可能性があっても、最初の印象で不快感や不信感があっては
その先は無いに等しいでしょう。

上記を鑑み、商品を紹介する際に店舗ページにバナーを設置する場合は
内容は同じでも大きさや形の違うものを複数設置することをおすすめします。

さらに全ページ共通のヘッダーやレフトにも配置することで
一度興味を無くした商品に追われているという感覚ではなく
「さっきからそこにある」という自然な感情でクリックを促せます。

消費者の感情を見極め上手にコントロールすることで
商品にも店舗にも好意を持ってもらえる可能性が高くなるので、ぜひ意識的に使用してみましょう。

心理効果を駆使し消費者との信頼関係を深めよう!