アマゾンなどで有名なリコメンド機能、今やECでのクロスセル(ついで買い)訴求において大変有効な手法です。「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という文言は、多くの人が目にした事があると思います。また、そのような機能がないシステムの場合など、ページ内の説明で関連商品をお勧めするページも多くあります。
そのクロスセル訴求で、面白い訴求表現がありました。商品ページの商品詳細のそばに「よく一緒に購入されている商品」という項目が新設されていたのです。そこは某大手ネットショップモール内での店舗ページ。いつのまに自動リコメンド機能がリリースされたのだろう?それとも外部システムを導入したのだろうか?驚きつつもページを解析すると、それはお店が手動で掲載・更新している情報の模様。同店は、キレイな画像やデザインでしっかり訴求する術を持ちながら、あえてシンプルな「自動リコメンド機能」風な表現をしていたのです。
この表現をすることで、どんな効果が得られるでしょう。実際にこんな組み合わせで買われているという、リアリティを感じませんか?お店が一生懸命にデザインした、見映えの良い「この商品と同時購入のお客様、続出!」というようなパーツは、場合によってお店の押しつけのように感じてしまわれがちです。それが、シンプルなデザインで自動的に表示しているような演出により、逆に説得力を増すわけです。
注意していただきたいのは、この表現はウソをつきお客様を騙す為のものではないという点です。当然ながら、表示する情報は虚偽ではないという事が大前提です。一昔前に流行った広告バナーの、テキストリンク風表現や、ボタンをあしらった表現もそうですが、何かを混同させたり、ウソの情報で騙す事はNG。あくまでも正しい情報を表現する一つの方法として捉えてください。
これは一例ですが、このような逆転の発想でユニークな演出が出来る可能性があります。少し見せ方を変えると、オーソドックスな手法も大きく印象が変わるものなのです。