コロナ禍の引っ越し事情とECの商機

長引くコロナ禍により、テレワークを筆頭とする「出社しない業務スタイル」が定着してきました。
オンライン状態を保ちながら「拠点を変える」という選択肢も生まれ、都心から郊外へ引っ越しを検討する消費者も少なくありません。

コロナ禍により生活様式が見直されたことは、ある意味「ライフステージの変化」とも言えますが、今回はコロナ禍における引っ越し事情とECの必要性を考えます。

コロナ禍と引っ越し挨拶

引っ越しは、進学・就職・結婚・出産等、ライフステージの変化に左右されることが多いイベントですが、賃貸物件に引っ越した場合、住人宅へ挨拶に伺うことは稀です。

特に都心部の賃貸物件は住人の入れ替わりが激しく、隣人同士のコミュニケーションは皆無と言えます。
コロナ禍のソーシャルディスタンスも相まって、見知らぬ人と接点を持ちたくないと考える住人が多いため、引っ越し挨拶は控えた方が良いでしょう。

一方で、分譲マンションや戸建てとなると状況が変わります。
賃貸物件と違って長く居住する住人が多く、管理組合や町内会への参加も視野に入れる必要があります。
住人同士の防犯意識を高めたり、コミュニケーションを円滑化させるためにも、コロナ禍でも引っ越し挨拶は必須でしょう。

引っ越し当日または翌日に、分譲マンションの場合は両隣と上下階のお部屋、戸建ての場合は両隣と真向いとその両隣のお宅にご挨拶に伺うのが引っ越し挨拶の最低限のマナーですが、その際に準備したいのが粗品です。

粗品は「たくさんあっても困らないもの」「癖が無いもの」「好みが分かれないもの」が望ましく、タオルや洗剤等の日用品、焼き菓子やジュース等の日持ちする食品が選ばれる傾向です。
価格帯は500円~1,000円程度の「もらった相手が気を遣わない金額」が相場です。

例えば金券やクオカードは好みに左右されないので、一見するとスマートで良い気がしますが、目上の方に対しては失礼にあたります。
粗品は『年齢や性別を問わず受け入れられるもの』が無難と心得ましょう。

消費者の心をくすぐる粗品とは?

引っ越し挨拶用の粗品は、同じ商品を複数個購入する可能性が高いですが、購入する際、多くの消費者は実店舗ではなくECを利用します。
引っ越し当日または翌日に新住所宛に届くように注文すれば荷造り不要でスムーズだからです。

引っ越し挨拶用の粗品を専門で扱う店舗も一定数存在しており、このような店舗を利用する消費者もいるはずですが、自店で扱っている商品を引っ越し挨拶用の粗品として利用してもらえる可能性があります。

例えば自店でボックスティッシュを扱っているとします。
そのままお渡しするには味気ない日用品も、ちょっとした工夫で引っ越し挨拶用の粗品になります。

引っ越し挨拶の最大の目的は「自己紹介」であり、自分が何者かをお相手の住人に知らせるためには、粗品に名前が書いてあることが鉄則です。

熨斗を付けることは勿論、『熨斗の名入れ』や、名前や挨拶文が手書きできる『メッセージカード』を付けましょう。

タイミングが合わず直接お渡しできない場合に配慮して『商品が入る紙袋』を付けたり、『まとめ買い割引』等のインセンティブを設けることで、複数個購入してくれる可能性が高まります。
お得な要素は商品ページ内に大きく記載し、プルダウン設置でオプションを訴求しましょう。

引っ越しは1年を通して開催されるイベントであり、多くの商品ジャンルにとって商機です。
引っ越し挨拶用の粗品をコミュニケーションツールと捉え、自店で扱っている商品を今一度見直しましょう。

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