次世代のオンライン活用術

新型コロナウイルスの猛威による外出自粛要請が続き、日本各地はGW中も自宅待機を余儀なくされました。

例年なら旅行や帰省等に時間とお金を費やしていた消費者も、自宅で過ごす時間が長くなるにつれ、生活や住環境を見直し、掃除や模様替え、DIY、新しいレシピに挑戦する等、自粛生活を豊かにする様々な工夫を凝らすようになりました。

普段実店舗で購入していた消費者が店舗のECサイトを利用するケースも増加し、その結果、EC業界は思わぬ追い風となっています。

今回は多様化するオンラインサービスと共に、サービスへの参加ハードルについて考えます。

浸透度を左右する参加ハードル

昨今ニュースや報道番組でも取り上げられており、徐々に定着しつつあるのが「オンライン診療」「オンライン会議」「オンライン学習」です。

これらの基となる「通院」「通勤」「通学」はオフィシャルな行為であり、日々の生活を営む上での必須イベントと言えますが、にわかに注目されているのが「オンライン飲み会」です。

飲み会はどちらかと言えばアンオフィシャルな行為に分類されますが、このような状況下でも自宅に居ながら友人と集まれることや終電の時間を気にせず自身のタイミングで退出が可能なこと等、オンラインならではの様々なメリットがあります。

そもそもSkype等を利用したオンラインベースのやり取りは以前から行われていましたが、オンライン飲み会に特化したツールの登場によりイベントとして認識されるようになり、参加ハードルが低くなったことも浸透度が高まった要因でしょう。

オンライン飲み会の影響により、ECでは『宅飲み』というキーワードが確立され、自宅で居酒屋を再現できるようなおつまみやビール、食卓を華やかにするワイングラスや卓上コンロ等が売れており、一つのジャンルとして勢いを増しています。

サービスの見える化で離脱を防ぐ

昨今、アンオフィシャルなイベントとして「オンラインお見合い」が登場し、婚活市場にも新たな波が押し寄せています。

婚活市場は、LINE等のオンラインチャットツールを駆使したコミュニケーションに慣れている世代が多くを占めており、ニーズにマッチした好例と言えるでしょう。

今まで当たり前のように行われていた対面での様々なサービスは、新型コロナウイルスの影響で見直され終息後オンラインベースに切り替わるものも少なくないでしょう。

しかしながら、オンラインでの操作に不慣れな消費者も数多くいることを忘れてはなりません。

例えば消費者からの問い合わせに迅速な対応ができるという理由からECサイト内にチャットツールを導入したとしましょう。

操作に慣れている消費者の場合、早急な回答が得られることから迷わずチャットツールを使用しますが、不慣れな消費者が早急な回答を希望する場合、メールではなく電話を選びがちです。

ただし、このような状況下においては従業員のテレワーク体制により電話対応を休止しているサイトが多いでしょう。

ここで重要なのが、店舗の現状とサービスについてのアナウンスです。

営業時間の短縮や配送遅延等についての情報はもちろん、商品について予め質問されそうなことや事例等を掲載したページを作成し、サイト内の目に付く位置に導線バナーを配置しましょう。
また電話対応が困難な場合は、チャットの使い方を詳細に説明し離脱を防ぎましょう。

店舗を初めて訪れた不慣れな消費者にとっても安心できる店構えであることが消費者の心を離さないECサイトと言えますので、今一度自店を見直し、受け入れ態勢を整えましょう。

消費者ニーズを見極めたアクションでオンラインを活用しよう!