お客様の声の活かし方

商品を販売していく中で大切にしたい「お客様の声」。
要望やクレーム的な要素も含めその内容は多岐にわたりますが
今回はお客様の声に耳を傾け、どのような点に注意しながら改善すべきかを伝授します。

■要望の本質を見極めた提案

例えばあなたのお店では自社製造の食品を扱っているとしましょう。
人気商品はレトルトカレーです。

ある日レトルトカレーを召し上がったお客様から以下の要望が届きました。
「パウチが開けにくいので簡単に開けられるようにして欲しい」
「いつもおいしくいただいています。しいて言えばパウチを開ける際に手が汚れるのが気になります」

上記の2つの要望をまとめると、パウチが開けにくく、開ける際に手が汚れてしまう…ということですが
視点を変えると、要望の中にやんわりとしたクレーム要素も含んでいることが伺えます。

お客様としては「今後も愛用したいけど、なんとかして欲しい…」と考えた末に要望を伝えてくださいますが
開かないわけではないが「うまく開けない」という状況の場合は
資金を投じてパウチ自体の改善を行うのは時期尚早と言えるでしょう。

ではこのような場合、お店としてどのような改善を図るべきでしょうか。

その一つに「ライフハック」の提案が挙げられます。
ライフハックとは、主に情報処理業界で使用する作業効率化のテクニックを指しますが
近年は生活の知恵というニュアンスで使用されることの多いワードです。

例えばあなたのお店のパウチの切り口が袋の両サイドに付いていたとしましょう。
どちらか片方から開けると真っすぐ切れず、お皿に盛りづらかったり
切り口がいびつになるため、袋や手が汚れてしまいます。

では袋の両サイドの切り口をくっつけて半分に折った状態で切ってみるとどうでしょう。
半分に折ることで切る距離が短くなり、真っすぐきれいに切ることができます。

このようなライフハックを用いた解決策をお客様の声と一緒にQA形式でページ上に掲載することで
不便に感じられていたお客様の状況を少なからず改善することが可能です。

■改善点を可視化する

ライフハックを使用した解決策は簡易的な提案としては非常に有効ですが
お客様の購買意欲を減退させる程の問題点がある場合は、早急に根本的な改善が必要です。

特に根本的な改善が必要な問題点として挙げられるのは
「痛い」「汚い」「怖い」のようなマイナス要素を含んでいる場合です。

例えば以下のような項目が当てはまります。
「パウチの切り口で怪我をした」
「パウチを開けた勢いで中身が飛び散った」

このような場合はお客様にお断りを入れた上で、早急にパウチ自体の改善をすべきでしょう。
例えばパウチの切り口で怪我をしたのはどうしてか考えた場合
「パウチの切り口が鋭角だったのではないか?」もしくは
「パウチを濡れた手で開けて滑ったのではないか?」等の理由が考えられます。

開発者側としては、手で直接切るのではなく、はさみを使って開ける想定で作っている可能性もありますが
どのような理由であれ、お客様が怪我をしてしまったことに変わりありません。

ここで重要なのが、どの部分をどのように改善したかを可視化することです。

先述のライフハックを用いた解決策と同様に、ページ上にお客様の声とそれを受けて改善した箇所を掲載しますが
「パウチの構造を見直して開けやすくしました!」と記載するだけでは
お客様は自身の声が活かされたとは感じません。

お客様の声を受けて改善したという姿勢が目に見えて分かるためには
改善前後のパウチの画像と共に、改善前後で変わった点を以下のように細かくテキストで記載しましょう。

例えば「パウチの切り口で怪我をした」ことを受けて
「鋭角だったパウチの切り口を丸くし、掴みやすい構造にしました」
「パウチを開けた勢いで中身が飛び散った」ことを受けて
「滑り止めシールを張り、濡れた手でも楽に開けられるようにしました」等
使用状況を鑑みた改善がなされていることで
お客様は自身の声が活かされたと感じ、その商品と店舗をもっと好きになります。

お客様の声に耳を傾け、要望を汲んだ上で改善を図ることが
お客様を意識した店舗作りと言えるでしょう。

お客様の声を店舗の財産にしよう!