借りると買うの境界線

レンタルサービスが盛り上がりを見せる昨今。

以前からあるDVDや着物等のレンタルだけでなく
高級ブランド服や楽器、家電製品等も
レンタルすることで気軽に試せる時代になりました。

比較サイト等も登場し認知度は向上していますが
実際に試したことのある消費者はまだまだ少数と言えるでしょう。

消費者が借りるべきと判断する商品と
購入する商品とはどのようなものなのか紐解いていきましょう。

■ビジネスモデルを考える

例えば服のレンタルサービスを利用するとしましょう。

ターゲットは主に女性で、サービス概要は
消費者が気に入った服を選ぶ、またはスタイリストに選んでもらい
それらが決められた期間内に消費者の手元に届くのが一般的です。

消費者は好みの服を自宅に居ながら試着することができる他
返却できるためクローゼット容量が増えないことや
シーズン毎に服を買い足す必要が無い等、様々なメリットがあります。

取り扱いブランドや商品の使用感は様々ですが、支払金額は大きく分けて
「固定の月額料金」と「返却にかかる送料」となるため、何着も購入するよりお得に感じます。

しかし一方で、気に入ったブランドの服の取り扱いがない、イメージと違う服が届く
洗濯することができないため何度も着用することができない
万が一汚してしまった場合には弁償する必要があるためリラックスして過ごせない等のデメリットもあります。

ここで注目したいのは、女性が「新しい服を買うタイミング」です。

男女共に欲しくなった時に買うという考えもありますが
特に女性はデートや旅行等、外出するイベント前にも服を買います。

■脳の構造から商機を見極める

男女の買い物の仕方を脳の構造で考えた場合
男性は買うものを決めたら真っすぐ商品を見に行き
その中から「比較検討」して商品を購入する傾向にあります。

購入後は、自分が選び抜いた逸品を育てるような感覚で使用するため、一つのものを長く愛用します。

対する女性は、買うものが決まっていてもすぐにその商品を見に行かず「寄り道」をし
買い物をイベントとして捉え、ワクワク感を楽しみます。
その中で着用イメージや第三者の反応等も意識しつつ商品との出逢いを大切にし、購入に至るのです。

購入後は、気に入ればもちろん愛用しますが、一定期間で更新したいという思いが強いのも女性の特徴です。

マルチタスク能力に長けた女性の脳の構造からすると、とても自然な購買行動であり
服のレンタルサービスには、買い物をイベント視点で楽しむ要素が数多く含まれているため
女性からの支持が多いのもうなずけます。

レンタルと購入にはそれぞれのメリットデメリットがあるため
着る頻度が低い服は「借りる」、着る頻度が高い可能性がある服は「買う」という
非常にシンプルな視点で捉えた買い物をするのが現代女性の傾向です。

例えば、消費者が持っていそうなベーシックアイテムとの合わせ方や
オフィスでの着用例等を直感的な画像を用いて表現することで
コーディネートの幅が広がり、着る頻度が高いと感じます。

これは、着る頻度が少ないと言われがちなフォーマル服やドレス等にも同様のことが言えます。
手持ちのアイテムや小物との組み合わせで全く違う合わせ方を提案することで
着る頻度は少なくても、今後も着る可能性が高いと感じ購入に至るでしょう。

女性の多くが「新しい服を買うタイミング」は外出するイベント前、すなわち1年中と言えます。

特に悪天候の日は外出が困難なためECの売り上げが増加しますが
この商機を逃さずに楽しんで買い物ができるワクワク感の演出を行うこと
購入を促す重要な要素となるでしょう。

サービス特性を生かしたアプローチをしよう!