購買と選択肢の相関性

無数の商品が溢れ、情報量が増え続ける昨今。
その弊害として、消費者が選択肢過多に陥ることが挙げられます。

そこで、消費者が容易に選択しやすく
本当に必要な商品情報提供のコツを伝授します。

■運営側と消費者の相違を見極める

モール等で取り扱う店舗が多い「スマートフォンケース」を例に挙げます。
カラーバリエーションが豊富で20色から選べます。
さらにケースの硬さはハードタイプとソフトタイプから
質感はマットとツヤ有りが選択できるとしましょう。

それに加え、ケースの中の色も10色から選べたらどうでしょう。

「デザインを選べる商品」という観点からすると良いイメージではありますが
人間の特性として、選択肢が余りにも多過ぎると手間だと感じ選びたくなくなり
最終的には「選ばない」という行為に走ります。

仮に購入するとしても、たくさんある選択肢をよそに
結局レビュー等の情報を見て一番評価が高いものに決めてしまいがちです。

しかしながら、運営側からしてみれば消費者のことを想って
「選び甲斐があるように」という意図から
カラーや質感のバリエーションを増やしたという経緯があるかもしれません。

ここで両者の相違が生まれます。
では互いの想いを馴染ませるにはどうしたらよいか?

それは、情報を編集して消費者に伝えるキュレーションの概念を持つことが重要です。

■溢れる情報を味方に付ける

キュレーションを行うには、情報収集力と収集した情報の編集力が問われます。
そのためには、ビジネス以外にもプライベートでの情報収集が必要になってきます。

前述した「スマートフォンケース」は豊富なカラーバリエーションで質感等も選択できますが
果たしてその商品に対して「こんな人に買って欲しい」といった明確な人物像は描けているのでしょうか?

色々選べたほうが売れるのでは?と言った安易な考えで選択肢を増やしたのであれば
基本に立ち返り、まずはターゲットを明確化させることから始めましょう。

例えば電車に乗る際、スマートフォンを操作している方に注目してみましょう。

どのような大きさや形状のケースで色や柄はどうなのか等、人によって好みは様々ですが
仮にその商品に「20代のフェミニンな女性に買って欲しい」という明確な人物像があったとしたら
まず若い女性に目をやるでしょう。

その方たちがどのような質感や色柄を好むかはネット上でも知る事が可能ですし
それを知ることで、おのずとターゲットの好みに合わせた情報の取捨選択ができます。

ターゲットを明確化することで情報を厳選することが可能になり
20色あったカラーは10色に、ケースの硬さはソフトタイプ、質感はマット
ケースの中の色も10色から3色に絞ることでき、
結果的に売りたい人に購入してもらえる商品へと生まれ変わります。

さらに、掲載するバナーや広告も女性目線にシフトし
淡い色や丸くかわいいフォント等、ターゲットが好む装飾を加えましょう。

もちろん最後のひと押しとして商品レビューの存在も重要ですが
それだけに頼らず、運営側の意図に沿ったターゲットが自ら選択し購入するという行為にこそ
ECにおける醍醐味があるのではないでしょうか。

消費者が気持ちよく買い物できる店舗創りを心がけよう!