楽天運営代行の業務内容と費用について

楽天運営代行

昨今の国内ECにおけるショッピングモールの三大勢力は「楽天市場」「amazon」「Yahoo!」と言えますが、中でも「楽天市場」は、イベント開催頻度が高くポイント付与のハードルが低いため、根強いファンが多いモールです。

しかし、楽天市場の出店数は年々伸びているものの、思うように売上を伸ばせず短期間で退店している店舗が多いのも現状です。
楽天市場からの退店理由は様々ですが、特に多く聞くお悩みが、リソース不足により業務過多となり、集客や広告運用等の施策に手が回らないケースです。

今回は、ネットショップ運営代行の仕組みと、楽天の運営を外部に代行することのメリット・デメリットと共に、既に楽天市場に出店済みで、今後さらに売上を拡大したい楽天の運営担当者様や企業様に伝えたい運営ノウハウを解説していきます。

①ネットショップ運営代行とは?

「ネットショップ運営代行」は、ネットショップの運営を外注できるサービスを指し、基本的には、ネットショップにおける全ての運営業務の代行を依頼できると言えます。

代行を依頼できる主なサービス内容

LP制作や商品ページ制作、プラン提案、撮影、商品登録や更新、受注管理や分析レポート作成等、サービス内容は多岐に渡ります。
ネットショップ運営代行を行う会社の多くは、依頼する業務内容や売上規模によって費用が決まるため、まずはどの業務の代行を依頼するかを明確化することが重要です。

代行を依頼する前に確認したいポイント

∟ポイント①

例えば、運営担当者が少人数の場合、工数を意識すると良いでしょう。
運営リソースを考慮すると、工数が比較的少ない「商品登録」「ページ更新」「受注管理」等は自社で行い、工数がかかる「LP制作」や「商品ページ制作」のみピンポイントで代行を依頼することを視野に入れましょう。

∟ポイント②

また、運営担当者が多数在籍している場合、工数のかかる業務でも対応できる運営リソースがあるため、自社の商品力をさらに強化する「競合調査」や「分析レポート作成」、イベント時の「プラン提案」や「広告運用」等、戦略的な業務の代行を依頼するのも良いでしょう。

∟ポイント③

ネットショップ運営代行を依頼する場合の業務内容がある程度明確化したら、自店の毎月の売上規模や運営を代行する際に捻出できる費用感を把握しておきましょう。
ネットショップ運営代行を行う会社への相談は無料でも、依頼後は業務内容や売上規模によって何らかの費用が発生することを肝に銘じ、代行を依頼する前に予め相談内容と共に費用感も提示し、スムーズな回答を促しましょう。

②運営を代行することのデメリット

ネットショップの運営業務をサイト規模や工数に関わらず依頼できるのが、外部に代行することの大きなメリットと言えますが、代行することによるデメリットもあります。

・業務の把握やコントロールがしにくい
外部に運営業務を代行する場合、自社内に外部の担当者が常駐しているわけではないため、作業や業務内容の詳細な把握ができません。

・運営スキルの向上やノウハウの蓄積が困難
自社が不得意とする作業や業務の代行を依頼することが多いため、自社の運営スキルの向上が見込めずノウハウの蓄積が困難です。

・タイムラグが生じやすい
外部の担当者とのやりとりはオンラインが主なため、連絡をしてもレスポンスが遅かったり、迅速な対応を依頼してもすぐに反映されない等、タイムラグによる不満を感じやすいです。

・費用対効果を感じにくい
毎月コンスタントに費用を払っていても売上が伸び悩んでいる場合、運営代行を依頼したことによる成果が見えにくく、費用対効果が悪いと感じてしまいます。

・自社運営への切り替えが困難
運営代行から自社運営に切り替える場合、今まで依頼していた作業や業務内容の把握と共に、足りないリソースを補うための新しい人材の採用や教育等に時間と費用をかけ、運営体制を整備する必要があります。

③運営を代行することのメリット

ネットショップの運営業務を外部に代行することによるメリットは様々ですが、代表的なものとして以下が挙げられます。

・運営リソースの確保と効率化
自社が不得意とする領域、工数のかかるLP制作や商品ページ制作を依頼することができるため、自社の運営担当者は業務に割くリソースを確保できます。

・採用コストや育成時間の削減
売上規模の拡大等で運営リソースが不足した場合、新しい人材の採用を検討しますが、ECサイトの運営経験のある人材の確保は困難であり、採用後も当然費用がかかります。
仮に経験値の低い人材を採用した場合、教育に時間を要しますが、外部に運営代行を依頼した場合、経験値の高い即戦力の人材に業務を任せられるので、自社の運営コストや育成時間が大幅に削減されます。

・専門性の高い技術を店舗運営に駆使できる
ネットショップ運営代行を行う企業の多くは、EC業界内での豊富な経験と実績があり、専門性の高いスキルを保有しています。
運営代行を依頼した場合、自社が保有していないスキルやクオリティの高い成果物を自社ECサイトに活かせます。

・運営施策のネタ切れを回避できる
自社運営の場合、商品アプローチや運営施策がマンネリ化することも多く、新しいアイディアが浮かびにくいものですが、運営代行を依頼した場合、店舗や商品を俯瞰で見るため、自社では思いつかないような新たな切り口のアイディアを得られます。

・EC業界の有益な情報を得ることができる
市場や競合の分析を依頼することで、各商品ジャンルごとの流行や他社の施策に関する情報を得られるので、自社の担当者は社内に居ながら時流を掴むことができます。

④楽天市場の特徴

昨今の国内ECにおけるショッピングモールの三大勢力の一つ「楽天市場」には、2019年の時点で46,000以上の企業が出店しており、国内EC流通総額は3兆円を超えています。
送料無料化の提唱やモバイル事業等、話題に事欠かない楽天市場ですが、以下のような特徴があります。

楽天ポイント

楽天市場最大の魅力は楽天ポイントと言えます。
楽天ポイントは楽天市場の会員ランクごとにポイント付与倍率が変動しますが、スマートフォンアプリからの購入でポイントが加算されるため、若年層のユーザーにとっても購入しやすい環境が整っており、非常に貯めやすいポイントと言えます。
また、楽天カード決済や楽天銀行、楽天モバイルの契約、楽天トラベルや楽天ブックス、楽天TVや楽天ビューティー等、楽天グループのサービスを利用することでポイントが加算されるSPUの導入により、楽天市場内のサービス連携をスムーズにさせています。

頻発するイベント

楽天市場内では毎日様々なイベントが開催されていますが、毎月開催の「お買い物マラソン」と年4回開催の「楽天スーパーSALE」は特に流入数が増加します。
買い回りによるポイントアップが期待できるため、楽天イベントの開催日時を予測するファンサイトが存在するほどです。
楽天イベントの開催期間は大幅な値下げや送料無料にする店舗も多く、楽天市場会員は事前に商品をブックマークし、この時期を狙って購入するケースが多いです。

多様な広告

楽天市場内の広告は、露出型・配信型・クリック保証型の3つに分類できます。
露出型は楽天市場のTOPやジャンルTOPにバナーで掲載される目に付きやすい広告で、コンバージョンが高いですが掲載料金も高いです。
配信型は楽天市場から配信されるメールマガジンの中にバナーやテキスト形式で掲載される広告で、配信数によって価格が変動します。
クリック保証型は、1クリックごとに課金されるRPPやCPA、googleやYahoo!のリターゲティング広告と同様に、新規顧客と既存顧客にアプローチが可能なダイナミックマーケティング広告です。

⑤楽天運営代行で売上を拡大するためのコツ

楽天市場内に出店している企業様が「以前より売れなくなった…」と漏らされることがありますが、その要因は大きく分けて2つです。
1つめは「楽天市場内の競合が増えたこと」、2つめは「楽天市場内で売るために様々な施策が必要となったこと」です。

楽天で売上を上げるために必要なのは主に以下の3つです。

■アクセス数を増やすこと
■CVを上げること
■単価を上げること

●アクセス数を増やすためにやること

広告の最適化

楽天内の広告は、露出型・配信型・クリック保証型の3つに分類できますが、中でも最も効果のある広告はクリック保証型のRPPです。
RPPで広告配信される商品は、楽天側が自動的に選びます。
「商品名」「キャッチコピー」「商品説明文」から検索されたキーワードとマッチしたものを最適化した状態で楽天側が配信するため、店舗の工数削減が可能です。
単価調整とROASの低い商品の除外をしっかり行って、無駄な広告費が発生しないようにすることが楽天内の広告運用のポイントです。

●CVを上げるためにやること

LP改善・導線改善

楽天は他のモールに比べると滞在時間が長く、買い物を楽しみたい消費者が多く訪れるため、「LPのクオリティがCVに直結する」と言っても過言ではありません。
ここで言うクオリティとは、見た目の美しさだけではなく充実した中身を指しますが、消費者が安心して購入に至るには、消費者を納得させるだけの情報量が必要です。
また、せっかくLPを作り込んでも導線が機能していないと消費者の目に触れる機会が少なく、楽天内では思うようにCVに繋がりません。

どんな方に買って欲しいのか?を明確化した上で導線を設置し、運営者目線の一方的な情報を掲載するのではなく、楽天に訪れる消費者目線の情報の充実化を図りましょう。

●単価を上げるためにやること

ついで買いやセット買いを促す工夫

楽天のイベント時に催される買い回りによるポイント変倍ですが、同一店舗で複数の商品を購入した場合、1店舗としてカウントされます。
そのため、送料無料ラインの料金設定がある場合を除いては、多くの消費者は楽天のイベント時に1店舗で1商品しか購入しない傾向です。

ここで重要なのがカート付近の情報の見直しです。
送料無料ラインがある場合は、単価の安い商品をまとめたカテゴリーを作り、購入の前に遷移できるようバナーを設置します。

送料無料ラインがない場合でも、同梱すると送料無料になる商品や、同一の商品を複数購入すると割引になるような施策を行うことで、ついで買いやセット買いを促します。

たとえ1商品の購入となっても、消費者の目に付くカート付近に情報を掲載することで、消費者にお得感を意識させることが可能ですので、ぜひ実施しましょう。


以下の施策はほんの一例ですが、いくつもの施策を複合的に重ねていくことが楽天での売上拡大のコツと言えます。

分析ツールを駆使する

楽天市場で売上を拡大するための近道は、まず自社の店舗のポテンシャルを知ることです。
楽天市場にはamazonやYahoo!にはないページ改善ツールが充実しているので、これらをフル活用しましょう。
各商品ごとにアクセス数等の主要数値の確認を行い、伸び悩んでいる原因を究明し改善を行います。

イベントへの積極的な参加

楽天市場では定期的なイベントが開催されており、特に流入数が増えるのが「楽天スーパーSALE」と「お買い物マラソン」です。
特に楽天スーパーSALEには割引商品を優先的に検索できる「SALEサーチ」があり、無料で申請できるので積極的に活用しましょう。
また、アクセス数と購入率アップのために、1,000円の商品(ぽっきり価格の商品)を用意し、広告出稿するのも効果的です。

カタログIDの登録

楽天市場内SEOで見落としがちな「カタログID登録」ですが、楽天はお客様にメインカテゴリーだけではなく、サブカテゴリーでも検索できるように詳細なカテゴリー設定を推奨しています。
このルールに基づいた対応はSEOにも寄与しますので、必ず登録しましょう。

レビュー追加の訴求

楽天市場は検索順位が売上拡大の鍵であり、商品レビューに加え、店舗レビューの有無もSEOに寄与します。
店舗レビューが高いと商品レビューが0の新商品でも上位表示されやすいため、楽天内ではとにかく店舗レビューを獲得できる施策を打つことが大切です。

ブランディング

楽天市場は、amazonやYahoo!にはないブランディングができます。
goldを駆使して、ブランドや商品の強みを謳うページや企業コンセプトを伝えるページを作ることで、たとえ型番商品でも独自性を訴求することが可能です。

⑥楽天運営代行を依頼する際のまとめ

楽天運営代行サービスには様々なメリット・デメリットがありますが、リソースを補いながら施策を考え、早い段階で実行に移せるという意味では、運営代行は売上拡大の後押しをする非常に便利なサービスと言えます。
しかしながら、施策の内容や実行速度も代行サービス会社の力量に左右されるということを肝に銘じ、以下のことを念頭に比較検討を行いましょう。

・依頼内容と今後のビジョンを明確化する
まず、自社が不得意な領域やクオリティを上げたいのはどの部分なのかを洗い出し、今後どのように楽天ECサイトを運営していきたいのかを明確化しましょう。
例えば、工数のかかるLP制作や商品ページ制作のみピンポイントで依頼するのか、バックヤード業務以外のページ制作、施策提案、広告運用、分析等、楽天ECサイト運営をほぼ丸ごと依頼するのかを、店舗のリソースと照らし合わせて代行を依頼する内容を決定しましょう。

・費用感に見合った会社を選ぶ
例えば楽天ECサイトの売上が現時点で月商100万円で、1年後には月商1,000万円を目標とした場合、目標達成までの期間を考えるとスピード感のある対応が求められます。
施策を試みて一瞬で爆発的に売上が上がるほど楽天ECサイト運営は甘くありませんが、効果を感じられないまま長らく運営代行費用を払い続けるのも問題です。
この部分を解消するには、代行を依頼する業務内容と捻出できる費用のバランスを鑑みた損益分岐点の設定が重要です。

・可能な限り対面または電話で相談する
楽天ECサイトの運営代行を行う企業の多くは、無料で相談ができるケースがほとんどです。
メールやチャット等のオンライン相談はもちろんですが、企業コンセプトや担当者の顔や声に現れた企業の色を知るためにも、可能な限り対面や電話での相談が望ましいです。
対面が困難な場合は、Skype等を使用したオンラインでのやり取りも良いでしょう。

楽天ECサイトの運営を代行する場合、今後の売上が現状維持になるのか拡大するのかは運営代行サービス会社の力量にかかっています。
実績だけにとらわれず、納得がいくまで密にコミュニケーションを取り、比較検討を重ねた上で楽天ECサイトの運営代行サービス会社を決定しましょう。

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