全国的に梅雨が明け、いよいよ夏本番となりました。
「今年は冷夏になる」と予想されていた梅雨寒から一転
連日の猛暑から熱中症への警戒が叫ばれていますが
室内で過ごしたいと考える消費者が増加する盛夏こそ
ECにとっては大きな商機と言えます。
今回は消費者が盛夏に求める商品と
配送における注意事項を伝授します。
猛暑による購買行動への影響
夏と言えば海や山のレジャーを思い浮かべる方も多いですが
なるべく外出したくないと考える消費者にとっては
水族館等の『室内で楽しめるレジャー』や
エアコンの効いた室内での『お取り寄せ』が夏の醍醐味とも言えます。
例えば食にフォーカスした場合、鰻は古来から精の付く食材として広まっており
父の日から土用の丑の日にかけて、店頭EC共に活発なプロモーションを行っています。
しかしながら、近年漁獲量が著しく減り価格が高騰しているため
自家需要の『定番食材』から、ギフト需要の『贅沢食材』へと変化しつつあります。
では、近年ECにおいて自家需要として人気が高いのはどのようなものでしょうか。
その代表格が「アイスクリーム」です。
冷凍で長期保存することが可能で、鰻のように食べる機会を選ばず食べたい時に食べられるため
盛夏は特に人気の自家需要商品です。
ウェザーマーチャンダイジングの観点から見た場合
年間を通じて気象に合わせた商品や販売戦略が行われていますが
夏季のアイスクリームの売れ行きは気象との相関性が大いにあり
22~23℃を超えるとアイスクリームが、30℃を超えるとかき氷が売れるようになると言われています。
アイスクリームはスーパーやコンビニに行けば
1本単位でも複数本入ったファミリーパックでも手軽に購入することが可能ですが
ここで重要なのが『プチ贅沢』という考え方です。
外出しない代わりに室内で過ごす時間を充実させたいと感じ
普段より少し高額なアイスクリームをお取り寄せして楽しむのです。
満足度の鍵は連携にあり
昨今、店舗のように並ばなくても食べられるというお取り寄せならではのメリットを活かし
有名スイーツ店やフルーツ店が高級アイスクリームのEC限定販売に力を入れています。
これは食品に限ったことではないですが
お取り寄せ自体を『ひとつの体験』として捉える消費者にとっては
暑い中外出することもなく、温度環境の整った室内まで商品を届けてもらえることは
清涼感と同時にプレミアム感も味わえる、この上ない贅沢なのです。
ここで注意しなければならないのは「配送」です。
特に夏季のクール便配送は、梱包状態が満足度を左右する指標と言っても過言ではありません。
例えばお取り寄せしたアイスクリームが届き箱を開けたら半分溶けていたらどうでしょう。
アイスクリームは-18℃以下での冷凍状態であれば菌の繁殖が抑えられるため
品質の劣化が低く長期保存が可能ですが、半分溶けた状態では話になりません。
35℃以上の高温が連日続き、暑さが年々厳しくなっている中
配送業者のスタッフが何度か荷物の上げ下ろしをすることを考えた場合
それに耐えうる梱包状態で出荷する必要があります。
冬季なら問題なく冷凍状態で届いたであろう梱包も盛夏は様子が違います。
本当にこの暑さに耐えられる梱包なのかを今一度考え
他店とも比較しつつ配送テストを繰り返し、もしもの時に備えましょう。
さらに配送業者のスタッフとも連携し、商品の特性を理解していただくことも大切です。
消費者の手元に商品が届くまでには、たくさんの人がリレー形式で関わってくれています。
その中でも盛夏はバトンが上手く繋がらないケースも多く
配送トラブルが起きやすい季節と言えます。
ドアの向こうには貴店の商品を選んでくれた消費者が待っています。
万全の暑さ対策と連携で、しっかりバトンを繋げましょう。
暑さを味方にした接客で消費者に満足を届けよう!