五感に響くキャッチコピー

昨今スマートフォンの普及率は若年層を筆頭に急速に増加し続けています。

その保有率は7割と言われており、音楽再生やコミュニケーションツールの利用
買い物をしたりと様々な体験を移動中でも気軽に楽しめる時代となりました。

特にスマートフォン経由で買い物をする消費者の割合は今後も増加することが想定されるため
EC事業者はPCと同様にスマートフォン対策も必須でしょう。

しかしスマートフォンの表示画面はPCと比較すると小さく、画像も見づらいことから
情報量が不足していると感じやすいため、未知の商品や超高額商品等
商品ジャンルによってはPCとスマートフォンを使い分けて買い物をする消費者が多いのが現状です。

商品の魅力をしっかり消費者に伝えるために
表示画面のサイズに合わせて画像や文字の大きさを変えることも非常に重要ですが
どんなデバイスで見ても普遍的に訴求できるのがキャッチコピーです。

今回は商品の魅力を伝えるキャッチコピーについて紐解いていきます。

■付加価値で魅力倍増

例えば売り出したい商品が鰻の蒲焼だとしましょう。

商品をアピールする際に欠かせないのが内容量や産地等の商品情報や誕生秘話ですが
それと同時に食品において重要なのが味に対する訴求です。

人間が「美味しい」と感じる際、最も敏感に反応しているのは鼻です。

実店舗なら換気扇から漂う蒲焼とたれの香りで消費者の嗅覚に自然と美味しさが伝わりますが
ECの場合それを伝えるのがキャッチコピーとなります。

現在スマートフォン経由で消費者に商品の香りを伝えるツール等も開発されていますが
デフォルトで実装できるのはまだまだ先の話と言えそうです。

もちろん商品の「美味しさ」を販売者側は充分に理解しているわけですから
それをキャッチコピーにして伝えるのは一見すると容易に感じますが
販売者目線で美味しさを表現しようとすると
表現が堅くなったり独りよがりになりがちです。

そこで重要なのが食べる側の視点に立ち「美味しい」を分解して表現することです。
味の中に隠された「美味しい理由」「香り」「食感」等を以下のように分解して表現しましょう。

「現地の目利き推薦の国産鰻。口の中にじゅわっと広がる香ばしい甘辛ダレが柔らかな蒲焼を優しく包みます。」

商品画像を見ただけでは、どうして美味しいのか、どんな風に美味しいのかは分かりませんが
それに付随する情報があることで、味のその先の光景が浮かび商品に付加価値が生まれます。

食べる側の視点で美味しさを伝えることで、消費者は味見ができる感覚になり
口に入れたい、味わってみたいという衝動にかられ、結果的に商品に興味が湧くのです。

商品の魅力を伝える要素として重要なキャッチコピーですが
必ずしも万人受けしないということを肝に銘じておきましょう。

■文字で表すシズル感

先述した鰻の蒲焼も、食べたことがある人ならある程度どんな味がするのかが想像できますが
初めて食べる場合や元々あまり好きではない場合「美味しい」という感覚に簡単には到達しません。

しかも美味しさの感覚は食習慣や育った環境によって様々であり
味覚の鋭さ鈍さも1人1人違います。

そこで重要なのが商品を買ってもらいたい人は誰なのかをしっかりと把握することです。

ターゲットを明確にすることで、万人ではなく「その人」に向けた訴求が可能となります。
例えば、元々あまり鰻が好きではなく、鰻に対してネガティブなイメージを持つ消費者に対して
以下のようにメッセージ性を持った表現を加えてみましょう。

「特有の泥臭さを払拭した国産鰻!ふんわり柔らかな皮と身は香ばしい甘辛ダレと相性抜群!」

もちろん苦手意識をキャッチコピーだけで完全に克服することは困難ですが
ターゲットが苦手な理由が泥臭さや皮の固さだった場合、自分に言われているように錯覚し
もしかしたらこの鰻なら食べられるかもしれない、という感覚になるでしょう。

また、商品画像と共に鰻の蒲焼のビジュアルと消費者が口に入れるまでの一連の流れを
以下のようにストーリー仕立てにしてみましょう。

「香ばしい甘辛ダレが染み込んだ艶のある蒲焼を、熱々ご飯の上に一尾丸ごと乗せて豪快に頬張りましょう」

例えば上記キャッチコピーの中の「艶」という文字に注目してみましょう。
漢字ではなくカタカナで「ツヤ」と書くと美容関連商材のような印象になりますが
漢字にすることで和風商材の持つ優雅で厳かな印象になります。

同じ音でも商品ごとに文字の表現を変えて訴求すること
商品の個性を活かしたアプローチと言えるでしょう。

目の前に商品があるように錯覚させる立体的なキャッチコピーは
商品に対する想像力を膨らませます。

思わず手を伸ばしたくなるシズル感は、画像や動画だけではなく
キャッチコピーとして文字で表現することも可能なのです。

今回は食品をメインとしましたが、商品の魅力を引き出すキャッチコピーを書くには
商品そのものの虚偽のない本来の姿をしっかりと知る必要があり
それを理解して初めて付加価値を演出することができます。

そのためには日々自店の商品と真摯に向き合い
あらゆる角度からその商品の魅力を探ることが重要です。

商品と向き合いキャッチコピーで魅力を表現しよう!