「送料は当社負担というような表現にしていただきたい」
昨年6月に、経産省の審議官から通販・EC事業者にこのような呼びかけがあったと言う事が、話題となりました。消費者が物流コストを正しく認識しづらい現状を、改善したいという意向による呼びかけでした。
今や「当たり前」の送料無料
アマゾンを初めとし、ECモールでも半ば当たり前の風潮すらある、送料無料サービス。楽天が発表した有料会員制の新サービス「楽天YOUNG」では、年間12回分の送料無料クーポンが利用できます。若者ネット通販利用には、送料がネックになっているという判断なのでしょうか。何にしても、使えるお金の少ない若者にとっては、送料無料はメリットでしょう。昨年4月の配送料の値上がりに反比例するかのように、世間の送料無料志向は加速していく傾向にあります。本連載でも以前、送料無料でついで買いを訴求する施策をお伝えしていました。
「送料無料で、ついで買い訴求」はこちら。
そのような折、ニュースで見かけたのが冒頭の呼びかけです。お客様にコスト認識を正しく持っていただく表現、大変良いですね。私は大賛成です。というのも、弊社ではすでにその表現を使っていたのです。いくつかの店舗様のページで「送料は当店が負担いたします」と記載していました。これはコスト認識の正常化に関してというより、それにより訴求を強める意味合いです。無機質になりがちなネットショップで、人の温かみを感じていただく一環でもありました。
当たり前をあえて解説する
ネットショップでは当たり前の事でも、改めて説明する事により、お客様にとって価値が向上する事があります。その中でも既存の無料サービスを改めて謳うのは、すぐに出来る有効な手段です。前述の送料無料なら「当店が送料負担いたします」。ギフト包装やのし対応が無料なら「無料サービスで包装いたします」。単に「○○無料」と機械的に書いてあるより、お店の人の存在を感じませんか?お店の人がラッピングする様子や、梱包する作業風景が思い浮かぶかもしれません。
無料サービスを謳えない場合、デメリットを逆手にとりコスト削減を謳う方法もあります。
「商品をお安くご提供する為に簡易パッケージで製造しております。」
「エコへの取り組みとし、納品書・領収書はお入れしていません(メールでお送りします)、シンプルな梱包でお届けします。」
「一つ一つ丁寧にお作りしますので、少々お時間をいただきます。」
…このように、少々不便な事もポジティブな表現が出来たり、メリットとして表現出来たりしそうです。
あなたのお店の「当たり前」はお客様にとっての「価値」。改めて見直してみてください。お客様にとってのメリットやデメリットを、特に説明せずに放置していませんか?それを掘り起こして説明することで、費用をかけずに価値向上・訴求力UPに繋がるかもしれませんよ。
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