2022年のトレンド予測とEC

2021年もあと半月で終わろうとしています。
流行語大賞のノミネートには本年を賑わせたワードがいくつも並び、少し前のことなのに懐かしい気持ちになるのは年末ならではです。
今回は2021年の振り返りと共に、2022年のトレンドとECの傾向を予測します。

2021年の振り返りとトレンドワード

年始早々に発令された緊急事態宣言により外出自粛となり、「おうち時間」がホットワードになりました。
テレワーク導入やオンライン飲み会、イベントの無観客開催等、当初は違和感を覚えていた行動様式も、その便利さから多くの消費者に受け入れられ、今ではすっかり浸透しています。

国内外を問わず「気候変動」が大きな課題となり、SDGsの価値観は食品やファッション等、あらゆる要素へと波及していきました。
食品ではSDGs×健康志向から、大豆ミートを筆頭とする代替食品が人気となり、ファッションではエコレザーやエコファー、リユース商品の購入等、「新しいものを買う時代」から「今あるものを永く活かす時代」へとシフトしました。

除菌・消臭・マスク等、コロナ禍の影響を受けた商品もトレンドとして挙げられますが、BTS・オルチャンヘア・くちばし型マスク・マスクに付かないプレストパウダー等、韓国カルチャーが若年層を中心にヒットしました。

また令和突入後から続く純喫茶等の昭和レトロブームと並行し、平成レトロもブームとなりました。
特にZ世代の関心が高く、1990~2000年代に流行した厚底ロングブーツ・ガラケー・ルーズソックス等のアイテムやプリクラや写真を撮る際のポーズを取り入れることが人気です。

ファッションのトレンドは20年周期で繰り返す傾向にあり、2022年春夏コレクションでは「ミニスカート」「ローライズ」「ウエスト見せ」とまさに平成のトレンドアイテムが満載ですが、SDGsの流れを汲んだ場合、もし大流行しても新しい服を買うのではなくご両親が着ていた服を着用したり、メルカリ等のアプリを利用して出品したりリユース商品を購入する動きが予測できます。

2022年のキーワードは『移動』

国内におけるワクチン2回接種済みの方の割合は7割超となり、新規陽性者も減少傾向なことから、Go To トラベルやGo To Eatの再開が期待されています。

とは言え、既に全国各地の紅葉スポットや行楽地は混雑しており、ワクチン接種を機に、コロナ禍で外出できなかったストレスを発散したいと考える消費者心理が伺えます。

2021年は人と会うことや移動することをリスクと捉え、都度取捨選択を行ったことで要不要の価値観がガラッと変わった1年でしたが、コロナ終息に少しずつ明るい兆しが見え始めたこともあり、2022年のトレンドは『移動』がキーワードとなりそうです。

これまでにも「ポケモン GO」や「ドラゴンクエストウォーク」等、位置情報を基に移動を楽しむゲームが人気を集めましたが、2022年は移動に付加価値を持たせたサービスが注目されるでしょう。

対象となるサービスとして【Miles】【ANA Pocket】が挙げられますが、これらは全ての移動手段でマイルが貯まり、貯まったマイルは商品やサービスと交換ができます。

特に【Miles】は、徒歩や自転車等のエコな移動手段だとよりマイルが貯まる仕組みとなっており、環境問題への配慮も同時に行える次世代のサービスと言えるでしょう。

テレワークや自粛期間により外出や移動を最小限にした生活を送っていた消費者にとって外出する良いきっかけになる可能性を秘めていますが、外出しなくても暮らしを豊かにする方法を学んでしまった消費者にとってはさほど影響はないかもしれません。

衣食住の三大要素で考えた場合、消費者がコロナ禍に最もお金を掛けたのが「食」ですが、食を通じておうち時間を豊かにする取り組みは2022年も続くでしょう。

デリバリーや宅飲み、高級食材や都道府県の名産品等のお取り寄せグルメはECでの購入が主であり、その便利さと手軽さから今後もECの利用は欠かせない生活の一部となるでしょう。

もちろん、衣類や住環境もおうち時間を豊かにする大切な要素ですが、食に比べると高単価なことや商品単体での直感的なアピール力が弱く、食の二の次となりがちです。

ここで重要なのが「ECで購入することのメリットをアピールできているか」という点です。
衣類の場合は着用モデルの複数起用で詳細なサイズをイメージしてもらう、住環境に関する商品の場合は重量表記や組み立ての手軽さを動画で見える化する等、商品画像だけではなく掲載情報の充実化を図ることで、ECでも失敗なく購入できるイメージを消費者に植え付けましょう。

コロナ禍はECにとって追い風と言えますが、この好機を逃さぬよう2021年のトレンドと2022年のキーワードを踏まえ、しっかり販売計画を立てましょう。

トレンドを意識した店舗創りで消費者にアピールしよう!