商品の理解度を深める鍵は動画にあり

SNSの普及が若年層のTV離れを深刻化させる中、拡大しているのが動画マーケティングです。
長引くコロナ禍で外出自粛や人と距離を開けることが推奨される今、ECにおける動画はその真価を遺憾なく発揮しています。

今回はECにおける動画の必要性と活用方法を伝授します。

国内ECにおける動画活用の歴史

ECサイトで商品を訴求する際に動画が活用され始めたのは2010年頃からで、当時積極的に取り入れたのがアパレル業界です。

テキストや画像だけでは伝えきれない商品のイメージを立体的に伝え、消費者の視覚だけではなく聴覚にもアプローチできるのが動画の魅力と言えますが、その活用方法は大きく3つに分類されます。

1つ目が「商品紹介動画」です。
商品の外観から細部のディテールまで様々な角度を動画に収めることで、商品が手元に届くまで分からない…という不安を払拭することができます。
そのため最も活用事例が多く、コンバージョンに直結しやすい動画と言えます。

特に直接身に着ける洋服や靴、アクセサリーやバッグ等の装飾品は、商品を実際手に取って使用しているような感覚が購入への近道となります。

2つ目が「ハウツー動画」です。
ハウツーとは主に商品の使い方を指しますが、たとえページ内に使用方法が書かれていても縦スクロールで閲覧するというECサイトの特性上、消費者は読まずにスルーしてしまう可能性があります。

このような時に活躍するのがハウツー動画です。
特に家具等の組み立てが必要なものや、家電等の精密機器の場合、デザインや性能にプラスして「簡単に使用できる」と思えることが購入時の判断指標となります。
また家電の場合、起動音や連続使用時の音を消費者が確認するためにも有効です。

3つ目が「ストーリー動画」です。
商品の開発秘話やこだわり、プロダクトデザイナーや代表者等の人物像をブランドの世界観と共にアピールすることで、企業や商品への安心感と共に特別な付加価値が生まれます。

特に製造工程や原材料への関心が高い食品や化粧品、環境への配慮を重んじる洗剤や皮革製品等は、商品に対する企業理念や思想を消費者に伝え賛同を得るためにも、動画は大きな役割を担います。

この3つの動画に共通しているのが、商品や商品購入後を「イメージできること」であり、動画は商品を訴求する際に非常に重要な要素と言えるでしょう。

消費者目線で考える動画のメリット

昨今、コロナ禍の影響により様々な業界で動画の在り方が大きく変化していますが、動画の活用で商機を得ているのが不動産業界です。

これまでもオンライン上で物件を検索し、内部を閲覧することはできましたが、直接内覧することが困難な今、室内をパノラマ動画やVRで掲載する企業が増加しています。

動画は室内だけを見せた無音のものから、担当者のコメントと共に一緒に内覧している気分になれるものまで様々で、オンラインなのに対面接客に近い感覚を味わえます。

また、自宅で過ごすことが増えたため、自分磨きや生活を豊かにするジャンルへの関心が高まっており、運動不足解消には「フィットネス」、健康への配慮と食の改善には「レシピ」、快適に過ごすには「掃除」という具合に、消費者のニーズに合わせた動画が増加しました。

動画を販売者側の目線で見た場合、商品のイメージを立体的に伝えられるものですが、消費者側の目線で見た場合、マイペースに閲覧できることが最大のメリットと言えます。

ECにおける動画を閲覧する理由は、興味を持った商品や店舗の情報を多く得るためであり、そのタイミングは、商品購入前だけではなく商品購入後も大いにあり得ます。

特に「ハウツー動画」は、説明書を読むのが面倒に感じる方に効果的です。
ECサイト上にある使用方法や手元にある説明書は読む気がしなくても、動画であれば再生と停止ができるので、組み立ての際にも自分のペースで進められます。

ただし、ページ内に動画があると言うことが消費者に認識されていなければ閲覧してもらえないため、設置する動画の内容だけではなく、設置場所にもこだわる必要があると肝に銘じましょう。

効果的に動画を活用して店舗と商品を細部までアプローチしよう!