レジ袋有料化に伴い、外出時にもエコバッグを持つ機会が増えました。
今回はコロナ禍における買い物事情から求められるエコバッグのトレンドを紐解きます。
加速するエンゲル係数と買い貯め思想
長らく続く外出自粛やテレワークにより、これまで以上に自宅で食事を摂る機会が増えました。
それに比例する形でエンゲル係数は加速の一途を辿っていますが、同時に増えているのが日用品の買い貯めです。
マスクやうがい薬等の不足しがちな商品は「見つけたら買う」という思想に変化し、、スーパーの帰りに薬局へ…という一連の流れが日々の生活に根付いてきました。
食費と日用品による生活費の圧迫を解消するためには何かを削る必要がありますが、女性が家計を握っている視点で考えた場合、この影響を大きく受けているのが『ファッション』と『美容』と言えます。
日常的にファッションや美容を楽しんできた女性にとってこれらを完全に無くすことは苦痛ですが、マスク着用や近距離での移動が主となった今、お化粧やアクセサリー等の装飾やコストを可能な限りそぎ落とした「ワンマイルコーデ」に注目が集まっています。
ワンマイルコーデとは自宅から1マイル(1.6キロ)の徒歩圏内への外出時のコーディネートで、ゴミ出しやスーパーへの買い物時にもサラッと着用できるファッションスタイルです。
中でも、シワになりにくいジャージー素材のワンピースは、1枚でコーディネートが完成する手軽さと、安価なのに高見えするコスパの良さで需要が高く、シーズン要素も相まって各モールのランキングでも上位に君臨しています。
販売数の多い人気商品の場合、人と被る可能性がありますが、その商品の印象を変え、個性を主張できるのがバッグや靴等の小物です。
しかしながら、家計への負担を考慮した場合、高価なバッグや靴を新たに買うのは悩ましいところです。
ここで重要な役割となるのが、比較的安価な『エコバッグ』です。
エコバッグの浸透度と未知の可能性
2007年に高級バッグブランド『アニヤ・ハインドマーチ』が日本でエコバッグを発売した際、警察が出動するほどの騒ぎとなり、瞬く間に完売したことは記憶に新しいですが、後にオークションサイトで高額転売されていた経緯からも、この時の消費者は環境保全の一環や実用性を重んじて「エコバッグとして購入した」というよりは、あくまでも「ブランドバッグとして購入した」と言えるでしょう。
これまでのエコバッグを総括すると、実用的だがファッション性に乏しく、色柄や形のバリエーションが少ないという印象で浸透度はイマイチでしたが、コロナ禍とレジ袋有料化の実施が重なった今、皮肉な話ではありますが、エコバッグの浸透度は高まりました。
先のネガティブ要素をクリアにした、安価且つ個性的なものが増え、ファッションアイテムとしての地位を確立しつつあるエコバッグですが、人によってはシーンやコーディネート毎に「持ち替える可能性がある」ということを忘れてはなりません。
例えばシーンで考えた場合、
常温のものを入れるのか?要冷蔵のものを入れるのか?コンビニのお弁当を入れるのか?重量のあるものを入れるのか?
コーディネートで考えた場合、
エコバッグをメインに持ち歩くのか?バッグに入れてサブバッグとして持ち歩くのか?バッグと合わせて持ち歩くのか?
エコバッグの用途は実に様々であり、浸透度が高まっているとは言えまだまだ消費者にとっては未知のアイテムです。
特に色柄や形、大きさを変えて複数購入することを視野に入れている方、気に入るものがなく風呂敷や布を使って自作を検討している方、プレゼントとして考えている方は情報収集に余念がなく、市場での検索ボリュームが増加する時でもありますので、商品名やキャッチコピーにはニーズの先を予測したキーワードを仕込み、シーンやコーディネートと共に、消費者に新たな価値と可能性を提案しましょう。
可能性は無限大!新たな価値の提案で市場を活性化させよう!