新元号の公表まで残すところ1か月余りとなりました。
改元後にまず最初にやってくるビッグイベントは「母の日」となりますが
今年はGWが10連休となることもあり、地元への帰省を考える消費者が増えることが予想されます。
今回は改元を踏まえた母の日施策を伝授します。
■ライフスタイルの変化とギフトの相関性
近年の日本に見る「母の日」とは、「父の日」と同様に
日頃の感謝を表すイベントとして定着していますが
「父の日」と比較すると、約2倍の市場規模とも言われています。
一見すると父親がないがしろにされているのでは…と感じるかもしれませんが
母の日の市場が拡大した理由の一つに、ライフスタイルの変化が挙げられます。
例えば、母の日に何らかのギフトを贈るのは主に20代以上の消費者となりますが
彼らの母親は、近年の女性の社会進出や雇用年齢の引き上げに伴い
働き手として活躍している場合も少なくありません。
そのため、定番であるカーネーション等の「フラワーギフト」以外にも
働く母親のための「役立ちギフト」への注目が高まっており
特に美容家電や効率的に家事がこなせる時短アイテムの需要が年々増加傾向です。
美容家電を贈る場合、母の日というイベントに背中を押されて
少々高額でも購入を決めるケースが考えられますが
特に贈り主が女性の場合は、後に自分で使用したり母親から感想を聞いたりできるため
結果的に贈る側にもメリットが多いギフトとも言えるでしょう。
時短アイテムを贈る場合、離れて暮らしていたり
普段なかなか会えない等が背景にあることが考えられます。
そのため、少なからず母親の手助けができると考えることが人気の理由でしょう。
これらを父の日のギフトに置き換えてみると、商品ラインナップの差が一目瞭然です。
例えば、母の日で言うところの「カーネーション」のような象徴的な花は無く
かと言って美容家電や家事に関わるアイテムではなく
どちらかと言うとビジネスシーンで使うものや
お酒やうなぎ等の食べ物を検討するケースが多いでしょう。
花や家電は色を変えたり機能を変えたりすることで毎年差別化することが可能ですが
ビジネスシーンで使うものや食べ物は既に出揃っている感が否めません。
また、母の日に贈るものは家族みんなで使用できるものが多く
そういった意味でも金額の境界が緩く、高額商品の需要が多いのも頷けます。
■キーワードは「どう過ごすか」
では、上記を踏まえた今年の母の日の傾向とはどのようなものでしょうか。
先述した改元と10連休のGWを鑑みた場合、ECにおける母の日商戦の山が
今年は4月4週目頃がピークとなり、例年よりも前倒しになる可能性が高いでしょう。
その理由の一つに、例年は離れて過ごす消費者が今年は地元に帰省して
母親や家族と共に過ごしたいという意識が高まることが挙げられます。
改元は新しい年の始まりであり、ある意味お正月に近い感覚で捉えられるため
家族と過ごすための帰省のタイミングとしては非常に優位性があります。
母の日の直前や当日だけではなく、GW期間中にもお届け指定ができるようにすることで
消費者が帰省した際に前倒しでお祝いすることが可能でしょう。
もちろん製造や配送の調整が必要となりますが、可能な場合は是非検討してみましょう。
離れて暮らす消費者の場合、ECで購入した母の日ギフトに何らかのメッセージが印字されたカードを同梱し
届いた後にSNSや電話を介して母親と言葉を交わすのが主流ですが
今年は例年とは違い、普段なら言えない感謝の言葉と共にギフトを渡すシーンが増えそうです。
手元に商品が届いてから消費者が書き込めるように
あえてメッセージを印字していないカードを選択肢に加えるのも良いでしょう。
また、家族が揃った際にみんなで食べられるオードブルや個包装のお菓子等も
需要が高まる可能性がありますので積極的に提案しましょう。
しかしながら、何かを贈りたい消費者の気持ちとは裏腹に
贈られる側の母親の願いは「感謝の言葉」や「家族と過ごす時間」だったりするものです。
大切なのは、贈る側と贈られる側が近くに感じられる演出です。
日々変化するライフスタイルに合わせたシーン提案で心の距離を縮めましょう。
心に響く演出で母の日商戦を迎えよう!