新元号の公表まで残すところ2か月余りとなりましたが
商戦を迎える準備は出来ていますか?
今回は過去の改元時の傾向も踏まえ、商戦への心構えと対策を伝授します。
■キーワードは「縁起」
改元は日本の歴史上247回行われており、近年の改元と言えば昭和から平成ですが
当時の日本ではどのようなことが起こったのでしょうか。
自治体や企業では元号の書き換えやシステムの再構築等の実務作業に追われる中
新元号にあやかろうと、ハンコ店では「平成」のゴム印が飛ぶように売れ
企業名に「平成」の文字を使用したい方が法務局に殺到しました。
それと同時に、移りゆく時代を懐かしむ「昭和回帰現象」も起こりました。
もちろん「平成回帰現象」も昨年多くのメディアやSNS等で取り上げられ
消費者の心に一つのムーブメントとして刻まれたのではないでしょうか。
新元号に対する価値観はいつの時代も人それぞれですが
多くの方が「おめでたい」という喜ばしい感情を抱くでしょう。
では新元号に変わることがなぜ「おめでたい」のでしょうか。
ここで重要なのが「縁起」です。
「縁起」とは物事の吉凶の前兆やきざし、前ぶれを指し
中でも特に馴染み深いワードは「縁起が良い」や「縁起を担ぐ」等ですが
古来より「縁起」を重んじてきた日本人にとって
新元号に変わることは『新しい時代の幕開け』すなわち「縁起の良いイベント」と言えます。
先述したハンコや企業名に使用する等の新元号にあやかろうとする動きも
まさに日本人ならではの心意気であり、そのような行動も含め
今年はさらにおめでたいことへの関心が増すでしょう。
■勝算は「記念」と「きっかけ」の演出にあり
改元について消費者の関心が高まっている今、販売者側は何を意識すべきでしょうか。
その一つに「ブライダル需要」があります。
改元後に入籍や挙式を行うカップルが増えることが想定されるため
ブライダルも含むギフト全般、ジュエリー、花、スイーツ等を扱う店舗にとっては大きな商機となる可能性が高いでしょう。
例えば平成から新元号への移ろいを感じられる商品名やキャッチコピー
セット組みや語呂を合わせた価格設定等を行い、積極的に提案しましょう。
中でも2つ合わせると1つの形になるジュエリーや刻印のあるスイーツ等
改元を消費者に印象付けることで、記念としての購買を促すことが可能です。
また改元により時代が変化するため、新たなチャレンジを誘発することも想定できます。
例えば英会話の取得やヨガ等の「習い事」、キャンプや釣り等の「趣味」
島や秘境をめぐる「旅」、道具を使った「ダイエット」等、その内容は多岐に渡りますが
これらにチャレンジする際に共通して言えるのは、何らかの「きっかけ」です。
改元を一つのきっかけとして捉え、以前より気になっていた新たなことに挑戦するのはもちろん
挫折したことにもう一度挑戦する消費者も増加する可能性が高いため積極的に提案しましょう。
その際に忘れてはならないのは、消費者の背中を押すことです。
今までの自分と新時代の自分…という対比ニュアンスをページやバナーに掲載することで
消費者は時代の移ろいに自身を投影し、きっかけを基にした購買を促すことが可能です。
改元を商機にできるか否かは販売者の提案次第です。
明るい未来を描ける提案こそが、消費者を前向きな気持ちにさせ、購買につなげる秘策と言えるでしょう。
事前準備万端で商戦を楽しもう!