年間を通して様々なイベントや記念日がありますが
消費者が誰かに物を贈る際、自身が気に入っているブランドや商品を
贈った経験がある割合は約4割とも言われています。
今回は、お気に入りの品を贈る消費者心理を紐解きます。
■普段使いが贈り物に変わる時
例えばあなたは女性で長年愛用しているお気に入りの化粧水があるとします。
ある日、友人から「いつも肌がきれいだけど何使ってるの?」と聞かれたため
その化粧水のブランド名や商品名を答えます。
後日その友人から「教えてくれた化粧水とても良いね!ありがとう!」と感謝されたとしましょう。
お気に入りの商品を褒められ、教えたことに対して感謝されたことで
「嬉しい」という感情が湧きますが、誰かに「贈りたい」という感情には至りません。
なぜなら化粧品等の直接肌に触れるものの場合
使用する方のコンディションによっては合わない可能性もあるからです。
贈りたいという感情には至らなかったものの、ここでいくつかの感情の変化が見られます。
自身も良さを実感した上で長年愛用している商品を褒められたことで
「やはりわたしの選んだ商品は素晴らしいんだ」と再認識します。
そして、そのブランドへの愛着が増し、他のラインナップにも興味が湧き
商品を購入したり、お得な情報や最新情報を得るためにSNSをフォローしたりします。
これは自身の『承認欲求』が意図していないタイミングで
友人からの言葉により満たされたことが少なからず影響していますが
第三者から伝え聞く言葉の信ぴょう性を重視する
『ウィンザー効果』も間接的に影響していると考えます。
■喜びの連鎖はお裾分けにあり
では、普段から使用しているどのような商品が
贈り物に転換されやすいのでしょうか。
その一つが、飲料や調味料なども含めた食品全般です。
もちろん先述の化粧品と同様に体質的に合わない可能性もありますが
どちらかと言うと「好き」か「嫌い」かが優先されやすい商品とも言えます。
日本に古来より根付いているお裾分け文化の代表格が食品ですが
現代のSNSによるシェア文化の先駆けと言っても過言ではありません。
特に食品は他のカテゴリーの商品と比べると比較的低単価なものが多いため
贈られた側もお返しに頭を悩ませるという心理的な負荷が少ないでしょう。
例えば普段から愛飲しているお気に入りのコーヒーがあるとします。
いつもは自宅用として大容量タイプのコーヒー豆を購入していますが
会社の同僚をねぎらうための贈り物にしようとサイトを訪れた際
大容量タイプのみでバリエーションが無かったとしたらどうでしょう。
贈られる側はまだ試したことが無いため、味や香りの好みが合わない可能性があります。
またコーヒーメーカーを持っているとも限りません。
お気に入りの品を贈りたい気持ちは山々ですが
これらのリスクを考慮すると購入を断念してしまうでしょう。
ここで重要なのが、贈るシーンに合ったセット組みです。
今回の場合は会社の同僚への贈り物なので、仕事中でもお湯を注ぐたけで手軽に飲める
粉末スティックタイプや、自宅で楽しむことを想定したお試しサイズのコーヒー豆があると良いでしょう。
お気に入りの品は懸念事項が少ない方がより贈り物に転換しやすいと言えますが
セット組みと同時に見直したいのが食べ方ガイドや梱包です。
贈り主は贈られた商品を直接見ることができません。
そのため、贈られた側から何かしらのコメントが届くまでドキドキしているものです。
上記を考慮し、商品ページ内にセット内容やお届け状態を
画像付きでしっかり記載することで
贈り主は安心してお気に入りの品を贈り物に転換することができるでしょう。
贈られた側からの評価は、贈った側の評価と同時に商品やブランドの価値も左右します。
商品やブランドの価値が高まることは、消費者心理に沿ったお店作りの賜物であり
結果的にその商品のファンが増え、元々のファンはLTVが長くなるという相乗効果が生まれるのです。
消費者の気分を上げるお店作りでファンを増やそう!