魅力的なセット商品

大手家電量販店やファストフード店等、街中に溢れるセット商品。

セット販売されている商品の多くは単品購入するよりもお得な価格設定がされており
特に買い物慣れしている消費者は「セット商品=お買い得」という認識を持っています。

もちろんお買い得な価格設定も訴求ポイントとしては重要ですが
価格以外の観点で商品が魅力的に感じるポイントはどのようなものなのかを紐解きます。

■消費者ニーズを見極める

先述のように、セット商品はお得な価格設定がされていることが多いですが
その理由の一つに販売者側の利益確保が挙げられます。

セット商品をお得な価格設定にしても、たくさん売れるほど店舗は利益が発生するため
お得な価格で購入したい消費者心理とマッチするのです。

では消費者がセット商品を購入する際に
価格以外に注目しているのはどのような項目でしょうか?

その一つに、その商品を使い始める「タイミング」が挙げられます。

例えば趣味の一環として自宅で書道を始めるとしましょう。
書道教室へ通えば必要な道具は一式揃っていますが、自宅で一から始めるとなると
何を揃えればよいのか、どんな筆が初心者に向いているのか分かりません。
しかも筆だけではなく、半紙、文鎮、墨汁、すずり…と色々な道具を揃える必要があり非常に億劫です。

そんな時に求められるのが「入門セット」です。

書道初心者に必要な道具一式が全て揃っており、
持ち運びが可能なバッグに入っているとしたらどうでしょう。

消費者は自身で揃える手間が省けると同時に
持ち運べることで自宅以外の場所でも楽しめるという新たな未来を描きます。

タイミングに見合った商品を提案することで
消費者は「自分のためにある商品」として捉え、購入に至るのです。

■利用シーンの提案

先程は書道セットを例に出しましたが、食品でも同様のことが言えます。

例えば、からあげ好きな消費者だとしましょう。
サイトを閲覧しながら初めて立ち寄ったからあげ専門店には
醤油味、ガーリック味、塩味、ハーブ味等、様々なバリエーションがあります。

レビューを見る限りどの味も概ね評価が高く、どれを選んでも失敗することはなさそうですが
ここに落とし穴があります。

消費者は初めて来店するお店の場合、商品のバリエーションが多いほど迷い
一つの味に絞って失敗することを恐れるあまり、結局「選ばない」という選択に至りやすく
特にクセの強い味に関しては、子供やお年寄りの口に合わないのでは…と敬遠されがちです。

このような場合にも「入門セット」は非常に効果的です。
食品の場合は「お試しセット」と銘打つことが多いですが
考え方の根底に消費者のタイミングや利用シーンが加味されている点では同様と言えるでしょう。

どの味にしようか悩んでいる消費者に対し
全ての味が少しずつセットになった「お試しセット」を組みましょう。

それぞれの味のバリエーションの商品ページの内に導線を設置し
「まずはこれ!」という提案を行うことで
消費者はたくさんのバリエーションの中から一つに絞る必要がなくなります。

また全ての味が少しずつセットになっているため、まずは試しに購入し
自分だけではなくご家族やパートナーの反応も見つつ次回はさらに多い容量の購入を検討します。
その結果、商品が気に入れば一つの味に絞った継続購入を促すことができるでしょう。

「価格」「タイミング」「利用シーン」の3つの提案が可能であれば申し分ないですが
どれか一つの提案でも構いません。

まずは自店が扱う商品や得意分野、利益率を考慮した上でセット提案を行うことが
販売者と消費者のニーズにおけるミスマッチを回避するための第一歩です。

消費者心理を汲み取ったセット商品を提案しよう!