昨今のトレンドワード【断捨離】。
「入ってくる不要なモノを断ち、不要なモノを捨て、モノへの執着から離れる」という考え方で
あらゆるシーンで提唱されています。
ECの現場では物を「買ってもらうこと」が一つのゴールとなるため
一見すると不要な物は買わないという選択を助長するワードのようにも感じますが
実はここに販促のコツが隠れています。
今回は消費者のライフスタイルの変化と共にそのコツを紐解きます。
断捨離から見る購買欲の変化
断捨離というワードがテレビ番組や本等で大々的に取り上げられブームになった理由の一つに
ECが普及したことが挙げられます。
ネット環境さえ整っていれば、消費者の都合の良いタイミングで
24時間いつでも買い物が出来る時代に突入したことで、消費者の物への執着心は一気に高まりました。
近くに置いてない、大きい、重い等の理由で購入をためらった物が気軽に買えるようになったことで
消費者の手元には物が溢れてしまったと言えるでしょう。
断捨離という考え方は「物が増えてきたから捨てる」という掃除的な意味合いで使用されることも多いですが
新たに物を買うシーンでも活きる考え方です。
ここで伝えたいのは、手当たり次第に物を買うのではなく
しっかり吟味した上で買う、もしくは購入を検討する消費者が増えたということです。
販売者側からすると、検討されたとしても最終的に購入してもらえるのがベストです。
では購入を検討されやすい物とは一体どのような物でしょうか?
その最たる例として高価な贅沢品が挙げられます。
主にハイブランドのバッグや時計、家具や家電、ブランド肉等が該当しますが
市場の認知度が低い高額商品の場合、単純に高いという認識だけで終わるケースもあります。
ここで注目したいのが、消費者が断捨離を行った後の購買行動です。
不要なモノを捨てることで残ったモノとは、平たく言うと生活する上で必要最低限のモノであり
断捨離を行ったことで消費者は本当に良いモノを見極める目が養われたと言っても過言ではありません。
検討材料を味方に
物を買う頻度は人それぞれですが、断捨離の考え方からすると
すぐに壊れてしまう安価なものを何度も買うより
少々高価でも長く使える物を買うという傾向が伺えます。
これらを念頭に、検討材料となりうる価格面での訴求を今一度考えてみましょう。
例えば枕を販売するとします。
多くの消費者は既に持っているため、新しい枕を購入してもらうには
今持っている枕との差別化を図り、より良いものだと意識させる必要があります。
上記をページ上で打ち出す場合、まず使用する頻度に着目しましょう。
例えば一生のうちで一回なのか、1年に一回なのか、ほぼ毎日なのか。
上記が分かれば価格訴求の仕方も変わってきます。
枕の場合は睡眠時にほぼ毎日使用するので
訴求力を高めるために、販売価格を基に1日あたりの価格をおおよそ割り出し
「高価だけど経済的」と思える数字に置き換え、ページ上に大々的に掲載しましょう。
その場合、購入前に検討を重ねることを念頭に「他社製品と比べて高いです」「他社と比べてから購入を」等
あえて検討を促す言いまわしを加えるのが効果的です。
もちろん金額に対する意識は千差万別であり、妥当と感じるか否かを決めるのは消費者なので
市場と比較して高価でもその理由を明確にページ上に提示することで
検討の上で本当に良いものだと感じ購入に至ります。
ライフスタイルは日々変化しており、高価な物は「買う」から「借りる」にもシフトしつつある昨今ですが
時代のニーズに合ったサービスを常に提供していくことが
トレンドに左右されない店舗運営と言えるでしょう。
時代の変化に柔軟に対応し消費者から選ばれる店舗になろう!